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貴史×生(年下攻×真面目眼鏡)(完結)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 重なった手。見つめ合い、互いに表情を和らげる。

「ここで生に逢えたのは、偶然じゃねぇ、よね」
「ん……」

 奇跡のようにも思える二人の出逢い。けれどもそれはきっと、二人が結ばれるために用意されていた、運命のシナリオだったに違いないと、今なら思える。

 全てがこの瞬間と、二人がともに過ごすこれからの時間(とき)のために。

 眩い朝の光が二人を包む。

 澄んだの静けさの中、そっと、唇を重ねた。

 貴史の手が、生の頬を優しく拭う。

 その手の優しさにふと微笑んで、ほんの少し生より背の高い貴史をそっと見上げた。穏やかに笑む貴史の表情は、朝の光を浴びて眩しく映える。

 思わず、見惚れた。

「服、着られる? 見せたいもの、外なんだ」
「ん……」

 一体なんだろう、と思いながら、貴史に手伝われて、用意してあったTシャツとデニムを着る。手を取られて、部屋を出た。

「――生、……」
「ん……」

 優しく揺すられ、覚醒を促される。ゆっくりと、目を開いた。

「はよ生、……起きられる?」

 薄明かりの中、生を窺うように貴史が覗き込む。髪を摘むように梳かれる、その微かな振動が心地好い。

「ん、……」

 情事の翌朝を、こんなに甘い雰囲気で迎えたことは初めてで、どうすればいいのか分からずに、生はただ貴史を見上げた。

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