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村椿・三垣(完結)(高校生年下攻?)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「じゃあこれからも部長にお会いする事ができるんですか……?」
「呼ばれればいつでも部に顔出す事だってできるし……ツバキ、お前に会う事だって。全然可能だ」
「嬉しいです友冶さんっ!」

 満面の笑みで村椿ががば、と抱き付いてきた。

「もう僕本当にどうしようかと……あとを追うにしても二年は……長すぎると思って……」

 肩口に顔を埋めた村椿の唇が、三垣の首根をそっと吸い上げる。そのまま首筋を舌で舐めなぞられると、一度小さくなった快感の種火が擽られてぞくりと背筋が震えた。


※それらしい描写です。18禁でおながいします。



「ツバキ、そのつもりなんだろ? だったら俺だけ脱がしてないでお前も脱げよ」

 三垣が上半身に纏っていたものを自ら脱ぎ捨てると、村椿が頬を染めた。

「三垣部長……」
「友冶さん、なんだろ?」

 ふと笑って、村椿の衣服を背から掴み、首からそれを抜き取った。眩しい程の村椿の白い肌が露になる。その胸元に掌を置くと、村椿の鼓動が掌に伝わってくる。その鼓動の速さが愛しい。



「ツバキ……腕、解けよ」

 俯いたまま動かなくなってしまった村椿に声を掛けた。涙を浮かべた村椿が顔を上げ、ぐし、と鼻を啜る。

「……はい」

 素直に返事をすると、村椿は三垣の戒めを黙って解き始めた。背後で村椿の表情は分からないが、時折鼻を啜るところから察するに泣いているんだろう。少しずつ緩んでゆく両腕。痺れて感覚がなくなっていた指先に血が通い始める。ようやく両腕が自由になると、三垣は起き上がり両腕を擦(さす)りながら長い長い溜息を吐いた。


※それらしい表現アリ。18禁でおながいします。


 背後でガサガサと音がする。気になって顔だけで振り返ると、村椿が持っていた紙袋を開けていた。袋の中に突っ込んだ村椿の手が、何かを掴んでそこから出てきた。チューブらしいその蓋をパチン、と開けて、ジュ、という音と共に中身を掌に出す。


※若干それらしい表現アリ。18禁でおながいします。



「ちょ……なんだよコレ」

 慌てて紐を解こうと腕をバタつかせると、紐は余計に腕に食い込んで来た。すぐ下で繰り広げられているはずの宴会ののどかさとは裏腹に、この部屋ではどんよりとした危険な空気が流れている。とりあえず落ち着こう、と一度深呼吸して上体を起こした。


「三垣部長、ご卒業おめでとうございます」

 向こうにいた村椿が三垣の元へ近付いてきて、どこか緊張した面持ちで村椿が三垣に声をかけてきた。手には酌をするつもりなんだろう、オレンジジュースの瓶を携えている。

「おう、ツバキ。綾峰高校新聞部の後は任せた」
「はい。三垣部長目指して頑張ります。……どぞ」

 体育会かサラリーマンの接待宜しく畏まって持っていたジュースを三垣のコップに注ぐ。

「もう引退したんだから部長は付けなくてイイって。……とありがと」

 三垣の方もそれらしく飲みかけのジュースを空にして村椿からの酌を受ける。


「では先輩方の卒業を祝して、カンパーイ!」

 現部長の音頭を合図に、部員一斉にカチリ、とグラスを合わせた。綾峰高校新聞部の追いコン会場。部員の高見の両親が経営している居酒屋の座敷を貸し切っての開催となった。グラスの中身はもちろんジュース類のソフトドリンクのみにするよう店に頼んである。

「部長、キス……していいですか?」
「……ん…………?」

 ――ん? んん? んんん? 何だって……? 

「ツバキ、ひひひひ人がっ…………んっ」

 慌てふためいて閉じた目をぱち、と開くも回る視界、三垣の小さな抗い空しく掠め取るように村椿に唇を奪われた。

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