※15禁でおながいします。
触れ合った唇から、容赦なく歩の熱が流れ込んでくる。熱を帯びていた緩やかなうねりは、一気に奔流に飲み込まれた。荒ぶる欲望を己の内に抑え付けようとして、呼吸が震える。
けれどもそれも既に限界近い。
触れ合った唇から、容赦なく歩の熱が流れ込んでくる。熱を帯びていた緩やかなうねりは、一気に奔流に飲み込まれた。荒ぶる欲望を己の内に抑え付けようとして、呼吸が震える。
けれどもそれも既に限界近い。
慎治はマグをテーブルに置いた。次いで腕を伸ばし、歩の手からも取り去った。
「おかえり、歩」
――俺の元に。
愛してる、歩。
慎治は両腕を歩に差し出した。
「おかえり、歩」
――俺の元に。
愛してる、歩。
慎治は両腕を歩に差し出した。
歩が来なくなってから一度も配置変えをしていない部屋。慎治は歩をソファに座らせた。コーヒーを入れてマグを手渡す。そこにはかつてより一回り大きくなった歩がいた。スーツから部屋着に着替え、慎治が床に腰を下ろすと、それでも三年前と変わらない時が戻ったような気がした。
「慎治さん俺今日、ハタチになった」
「ん……そだな。おめでと、歩」
少しの沈黙の後、歩がゆっくりと話し始めた。手元のマグから慎治に歩の視線が移る。慎治を見る歩の目は聞いて欲しい、と訴えているようだった。
「慎治さん俺今日、ハタチになった」
「ん……そだな。おめでと、歩」
少しの沈黙の後、歩がゆっくりと話し始めた。手元のマグから慎治に歩の視線が移る。慎治を見る歩の目は聞いて欲しい、と訴えているようだった。
雨が降っていた。
雨は、慎治にとって切なく、愛しく、そして哀しい記憶。
雨の日に歩を拾い、雨の日に歩を手放した。
雨が降る度やるせなさに身体が飲み込まれ、水の中でもがいているような息苦しさでどうして良いか分からなくなる。
雨は、慎治にとって切なく、愛しく、そして哀しい記憶。
雨の日に歩を拾い、雨の日に歩を手放した。
雨が降る度やるせなさに身体が飲み込まれ、水の中でもがいているような息苦しさでどうして良いか分からなくなる。
「慎治じゃん、久し振りー」
いつもの店。ビール傍らにカツ丼を食べる慎治にケイタという男が声を掛けた。ぱっと人目を引く派手な容姿の彼はジャズピアニストで、仕事柄か手入れされた美しい指と年齢不詳の若さを持ち合わせている。かなり以前の事だったが、過去戯れに身体を重ねた事のある彼の変わらない若さを、慎治は半ば感嘆にも似た気持ちで眺めた。確か彼は慎治より四つ年上だ。
いつもの店。ビール傍らにカツ丼を食べる慎治にケイタという男が声を掛けた。ぱっと人目を引く派手な容姿の彼はジャズピアニストで、仕事柄か手入れされた美しい指と年齢不詳の若さを持ち合わせている。かなり以前の事だったが、過去戯れに身体を重ねた事のある彼の変わらない若さを、慎治は半ば感嘆にも似た気持ちで眺めた。確か彼は慎治より四つ年上だ。
「歩……」
進の膝の上に立って飛び跳ねる学を、進は慣れた手つきで抱え下ろし、ママどこ? と話し掛けた。少し周囲を見回して、遠くに母の後ろ姿を見つけた学が、ママ、と両腕を伸ばして台所へと向かう。学の背を見送って歩に視線を戻した進は、歩の言葉によって僅かに呼吸を乱し、小さく肩を上下させていた。
進の膝の上に立って飛び跳ねる学を、進は慣れた手つきで抱え下ろし、ママどこ? と話し掛けた。少し周囲を見回して、遠くに母の後ろ姿を見つけた学が、ママ、と両腕を伸ばして台所へと向かう。学の背を見送って歩に視線を戻した進は、歩の言葉によって僅かに呼吸を乱し、小さく肩を上下させていた。
歩は兄夫婦宅のリビングに向かった。兄嫁の優子はキッチンに向かい夕食の支度をし、兄の進はソファに座り、一歳6ヶ月になったばかりの息子の学(サトル)を膝に乗せてあやしている。
そこには日曜の夕暮れ時の、幸せな光景が広がっていた。
部屋に入った歩に気付いた学が進の膝から滑るように下りて、あーたん、と言いながらたどたどしい足取りで歩の元に駆け寄って来る。歩は柔らかい笑みを浮かべ、優しく学を抱き上げた。学の髪の匂いを嗅ぐと、甘く、どこか懐かしいような、愛しい匂いが鼻腔を満たした。
そこには日曜の夕暮れ時の、幸せな光景が広がっていた。
部屋に入った歩に気付いた学が進の膝から滑るように下りて、あーたん、と言いながらたどたどしい足取りで歩の元に駆け寄って来る。歩は柔らかい笑みを浮かべ、優しく学を抱き上げた。学の髪の匂いを嗅ぐと、甘く、どこか懐かしいような、愛しい匂いが鼻腔を満たした。
月日は、少しずつ流れてゆく。
あれから三度、満開の桜を見た。
立ち止まっては、慎治さんを想う。慎治さんの傷は癒えただろうか。時には、俺の事を思い出す事もある? その度俺に付けられた傷痕が、痛くなったりする?
身体のどこも傷付かなかったはずなのに、俺はあれからずっと、切れないナイフで自ら切り付けたような傷口を、背に負ったままだった。その傷口はいつも重く疼いて、決して閉じる事がなかった。
あれから三度、満開の桜を見た。
立ち止まっては、慎治さんを想う。慎治さんの傷は癒えただろうか。時には、俺の事を思い出す事もある? その度俺に付けられた傷痕が、痛くなったりする?
身体のどこも傷付かなかったはずなのに、俺はあれからずっと、切れないナイフで自ら切り付けたような傷口を、背に負ったままだった。その傷口はいつも重く疼いて、決して閉じる事がなかった。
「……歩」
心配そうにかけられる言葉も、今は神経を逆撫でる。どこか訳知り顔な兄の様子も歩を苛立たせた。兄がいつも歩を大事に思っているという事は分かっている。でも、大人で、普通の恋愛をしてきた兄に何が分かるだろう。もう、構わないで欲しい。
「こんな時間に俺んトコなんか。……ユーコさんは?」
それを遠回しに伝えようと二世帯で同居する兄嫁の名を出した。
心配そうにかけられる言葉も、今は神経を逆撫でる。どこか訳知り顔な兄の様子も歩を苛立たせた。兄がいつも歩を大事に思っているという事は分かっている。でも、大人で、普通の恋愛をしてきた兄に何が分かるだろう。もう、構わないで欲しい。
「こんな時間に俺んトコなんか。……ユーコさんは?」
それを遠回しに伝えようと二世帯で同居する兄嫁の名を出した。
慎治は何の抵抗も見せなかった。歩の激情を、その身体で全て受け止めた。多くは語らなかった慎治。今までだって、普段は無駄なくらいにクチが悪く饒舌な慎治が、肝心な部分は言葉でなく態度で教えてくれていた事を思い出す。初めて出会った時から今まで、慎治の手はずっと、歩に優しかった。
慎治が歩に伝えたかった、本当の事はなんだったんだろう。慎治のあの行動が、歩を何かから護るための行為だったとしたら。
「慎治さん……っ」
――俺は、間違えた……?
溢れ出しそうな感情の代わりに、胃の中の物が込み上げてくる。咳込みながらそれを吐き出した。少しの固形物が、湯と共に流れてゆく、その様子を湯に打たれながらぼんやりと見送った。
慎治が歩に伝えたかった、本当の事はなんだったんだろう。慎治のあの行動が、歩を何かから護るための行為だったとしたら。
「慎治さん……っ」
――俺は、間違えた……?
溢れ出しそうな感情の代わりに、胃の中の物が込み上げてくる。咳込みながらそれを吐き出した。少しの固形物が、湯と共に流れてゆく、その様子を湯に打たれながらぼんやりと見送った。
乗った電車は最終だったらしく、最寄り駅の一駅手前が終点だった。気が付くと、歩は改札を抜け駅舎の外に立っていた。バスの最終はとうに出たあとで、昼間は賑やかなこの場所も、今は少ない外灯に照らされた部分だけがぼんやりと、暗闇の中に浮いていた。歩と同じ境遇と思われる数名が、タクシー乗り場へと早足で流れてゆく。その流れに逆らって、歩は家への道を歩き出した。
うちからリンクも貼らせていただいてます『twin eyes』のやふーさんが!!
歩のイメージ漫画を描いてくださいましたー!
※クリックで大画面になりますv
ちょ……!!!
歩超カワユス(;´Д`)ハァハァ
こんなカワユスな歩が大人にあんなエロい事をしてたんだんもー(ゴロンゴロン)(悶々)
歩雨に打たれとうトゥットゥルー
実はこのあと慎チン宅から家に帰るとき
歩雨に打たれるんす!(←軽くネタバレ)
やふーさん私の脳内お見通し超能力者説有力ハァハァ
やふーさん!お忙しい中私の拙作のために
貴重なお時間と労力を費やしていただきホントにありがとうございますっ。・゚・(ノД`)・゚・。
やふーさんの切なさ満載の小説サイト
『twin eyes』みなさまもぜひ行って悶えてきてくださいー!
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「先輩、今帰りすか?」
「おーお疲れ。今日ありがとぉな。コレお礼」
「せんぱーい、そろそろ煙草一箱じゃフォローしきれんようになってきましたって。そろそろ仕事サボるんも程々にしてもらうか、俺への報酬上げて下さいって」
「何大きぃ出てんねん。お前後輩やろーが」
「ほんでも俺、先輩の役に立つでしょ? 俺がいんと困るでしょ?」
「……報酬、何やったらええねん」
「先輩。報酬は先輩がええです俺」
「――――やっと言うたか」
「え? 何すか?」
「何でもないわ。……ええで。ほんなら今から俺んトコ、来いよ」
5月14日がブログ開設1周年だった『fxd』のハナさんに捧げますー!
5月14日→514→コイヨ→来いよ的発想wwwwwwww
これからも仲良くしてくだちぃv
つ…続きありますwwwwwww
5月14日に「来いよ」と言うた先輩に「濃いわ」と怒られたそんな記念日
タイトル長っ(;´Д`)
「おーお疲れ。今日ありがとぉな。コレお礼」
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「何大きぃ出てんねん。お前後輩やろーが」
「ほんでも俺、先輩の役に立つでしょ? 俺がいんと困るでしょ?」
「……報酬、何やったらええねん」
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「慎治さん俺……慎治さんと映画見に行きたい」
「ん……、何の、……っ」
「なんでもいい。人気ねーやつ」
「な、んだよそれ……」
「外で、慎治さんと手ぇ繋ぎたい」
「……んっ、そか、そだな。今度の休み、にでも、っ、行くか」
「うん」
「んっ、耳、噛むなって……、歩、もう、っイきそ、……っぁ」
「ん……、俺も。好きだよ、慎治さん」
*************************************
モー学祭も終了、次回更新から歩×慎に戻ります。
イタタスな話に戻る前に、アマアマエチーを一発(*´∀`)
歩×慎治(高校生×リーマン)につきましてはコチラ↓R18です。
メイン →『雨がやんだら』
番外 →『十二月二四日、夜八時』
『主よ、人の望みの喜びよ』(連載中)
会話のみ →『今日のピロートーク』
『クリスマスイブの過ごし方』
『ただそれだけの朝』
*************************************
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妄想駆り立てられる作品揃いです。
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「逆。……覚えてないのか?」
――逆。逆逆逆ギャクぎゃく……逆? 俺がヤられた?
ケツに力を入れてみた。ウシロには確かに普段とは違う、交わりの名残り。それで一気に記憶が戻った。……でも。
――逆。逆逆逆ギャクぎゃく……逆? 俺がヤられた?
ケツに力を入れてみた。ウシロには確かに普段とは違う、交わりの名残り。それで一気に記憶が戻った。……でも。
※18禁でおながいしますw
「おまえの…そういう性格が、好きなんだ。下も脱げ」
「脱がせてくれるんじゃねーのかよ」
試したいならそれくらいやれよ、とでも言うような高飛車な視線を下半身に投げて、それから再び隼人を見た。
「おまえの…そういう性格が、好きなんだ。下も脱げ」
「脱がせてくれるんじゃねーのかよ」
試したいならそれくらいやれよ、とでも言うような高飛車な視線を下半身に投げて、それから再び隼人を見た。
※15禁くらい…でしょか。よろすくおながいします。
「悦朗…昨日は誰のトコに行ってた?」
「昨日……? んー…成田んトコ、かな……」
隼人がそんな詮索じみた事言うなんて珍しいな、とか思いながら、熱の所為かどこか鈍った思考の中から記憶を手繰り寄せた。
「成田か…一昨日は?」
「んぁ? 一昨日? 伊丹、かなもう覚えてねぇって……」
「悦朗…昨日は誰のトコに行ってた?」
「昨日……? んー…成田んトコ、かな……」
隼人がそんな詮索じみた事言うなんて珍しいな、とか思いながら、熱の所為かどこか鈍った思考の中から記憶を手繰り寄せた。
「成田か…一昨日は?」
「んぁ? 一昨日? 伊丹、かなもう覚えてねぇって……」
ガキん頃から一緒に居て、それが高じて筆おろしも一緒。その相手も一緒。それからずっと、何度も一緒に色んなヤツ相手に色んな事をヤってきた。
隼人が時折垣間見せる、俺に対する独占欲にも似た行動。それに気付いてないわけじゃなかった。でもその先は、考えないようにしてた。所詮タチ同士、その均衡が崩れたら、俺達は――。
隼人が時折垣間見せる、俺に対する独占欲にも似た行動。それに気付いてないわけじゃなかった。でもその先は、考えないようにしてた。所詮タチ同士、その均衡が崩れたら、俺達は――。