2ntブログ

2009年02月

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 配達車の中。淳汰はぼんやり座っていた。

 見てしまった。

 ビルの谷間で。七月と聡士が。

 ――キス、してたな……。



「誘っただろ?」
「……ん、まだ連絡もらってないけどね」

「淳汰からなら連絡来ることはねぇよ」
「なんで聡士が言えんの?」

「俺のだから」
「……、……へぇ。そういう事」

 七月はいかにも興味をそそられたように笑みを浮かべ、薄目で聡士を見た。

 時刻は午後六時半過ぎ。日の入りもとおに過ぎ、辺りは外灯の助けがなければ漆黒となるだろう時刻。けれどもオフィス街のこの地は真夜中でさえどこかで働く者の影がある。

 多くの企業では就業時刻直後のこの時間帯、ビルの窓から零れる光はまだ煌々と、街が明るくなる程に辺りを照らしていた。

「……行くな。これでもお前に独占欲出てきてんだよ。もう誰にもお前ん事は触らせねぇ」

 ――独占欲。

 その言葉が淳汰を甘く支配する。

「……行かねぇよ。今言ったろ」

 淳汰は濡れた唇を手の甲で拭った。

「それよりお前、七月に、何か、言われてね?」
「ああ……飲みに誘われた」

 その言葉に聡士がぴくりと反応する。ほんのひと時動きを止め、腕を伸ばしたまま淳汰をちらりと見て、またすぐに動きを再開した。

「淳汰、あれから七月に会った?」
「あぁ……? ん……」

 吐精の余韻でまだ霞んだ視界のままぼんやりと聡士を見上げる。顎を取られ、唇が重なると、それでもその心地好さに淳汰はゆったりと目を閉じて聡士の唇を味わった。

※後半に少しそんな表現がw






「そう。山井さん、タチなんだよね?」
「ええ、まぁ……」

 同じタチ同士、七月が聡士の恋人が淳汰だとは思いもよらないのだろう。今更それを打ち明けるわけにも行かず、淳汰は曖昧に笑って頷いた。

「どう今度? 一緒に飲みにでも」

 七月がそっと手を伸ばし、その美しい指先で、緩められていた淳汰の第二ボタンを留めた。その首元をじっと見て、そのまま上目使いに淳汰に視線を向けた。

「あの」
「……ん?」
「あいつ彼氏、できて……」
「……え?」

 聡士の不義理を詫びるわけではないが、その肩代わりを。その原因が自分にあるのなら。

 そしてそれから僅かな、牽制。

 そんなワケだからもう、聡士に近付こうとするな、と。

 先日七月に会ったオフィス。あれから何度か集荷に来ていたが、今日まで淳汰が七月に会う事はなかった。

「――山井さん」

 今日もいつものように屈んで荷受け作業をする淳汰の背後から、淳汰を呼ぶ声がした。淳汰は振り返り、その声の主を見上げた。

※軽く18禁描写ですw





「なんねーよ」

 面倒そうな表情で聡士を見上げると、聡士は不敵に笑って淳汰の雄を握った。

「あの人はな、俺が挿れて啼かせて喘がせてぐっちょぐちょにしてぇ相手はお前だって、改めて思い知る事になった人だよ」
「な……んだよそれ、……っ」

 缶ビールを二本、その手に携えて戻った聡士から、差し出された一本を受け取る。のそりと身体を起こし、プシュ、と音を立ててプルを開けた淳汰は、今思い出したかのように口を開いた。

「――あの時見掛けた人、だよね? 聡士の知り合いの」
「あ、……はい」

 時間的に総務部の社員は全員退社していた。だからその男自らコピー用紙を調達しに来たのだろうが、そこに誰もいないからなのか、淳汰が同じ嗜好を持つと知っているからなのか、その男はおそらくいつもは己を封じ込めているであろう殻を少し綻ばせ、あの時漂わせていた色香を淳汰に忍ばせるように向けながら淳汰に話しかけた。

「あ」
「――あ」

 午後七時過ぎ。いつも淳汰が集荷に巡回するオフィスの一つ、ある広告代理店の社内で見覚えのある顔に出くわして、淳汰は僅かに身体を固くした。

「――そだね。分からせてあげるよ。何年かけても……」

 優しく笑って、和大がナツメを抱き締める。その声に、抱擁に、信じて良いんだろうかと、信じたいと、ナツメの心が疼く。そんなナツメの心を察したように、和大が大丈夫、とナツメの髪を撫でた。


中野聡士 : 淳汰と恋人の仲になってちょっと経った。現役バリタチw

山井淳汰 : 元タチ。聡士に流される日々で未だひっくり返せずw

於:淳汰んち。
2/14AM0:00になりました。

*******************************************************

「おら淳汰、クチ開けてみろよ」
「あ? ん……」
「何味?」
「……さくらもち」
「やんじゃん」
「コンビニは毎日集荷で行ってっし」
「店員に色目使われてんじゃねーだろな」
「ねーよ。お前じゃねぇし」
「食った?」
「……ん」
「じゃ次。もっかいクチ開けてみろ」
「ん……、ん……あまおうたると」
「何お前、甘党だっけ」
「いや、……」
「なんだよ、言えよ。……ホラ」
「っ、ん、……っ、……」
「言  え  よ」
「っ、お前に、……っん」
「あ?」
「同じの買ったけど、なんかっ、ムカ、つくから運転中に食った、から味知ってん、だよ、んっ」
「……」
「……なん、だよその笑顔(かお)」
「淳汰お前、俺のコト、マジで愛しちゃってんのな」
「……それがムカつく、ってんだよ、っ、あ」
「スキだよ淳汰」
「……クソっ、ん、んンっ……ぁっ」

*******************************************************

チ□ルチョコ
さくらもち・あまおうたると(いずれもコンビニ限定)
一個32円(プレミアム価格w)

バレンタインデーに乗っかってみますた。
もちろんクチ移しで食べさせてます\(^o^)/



『聡士×淳汰(タチ×タチ)』


BL妄想劇場(トラコミュ)
にほんブログ村
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
↑ランキング参加中す。よければポチっと押してクダサイ
書く意欲に繋がってます。









次回よりこの二人の連載またーり開始予定す(*´∀`)
またのお付き合いよろすくおながいします(*´∀`)





※15禁でおながいします。







 舌先同士が触れ合う。それだけで身体に電流が走る。

「っん……」

 小さく眉を寄せてそれをやり過ごし、より深い口付けを求めて和大に回した腕の力を強めた。和大に優しく舌を吸い上げられ、甘く歯を立てられる。



 深夜過ぎ。一人の部屋に戻った位織は、放心したように立ちすくんだ。

 自分でない、他の誰かを想う尚大に抱かれる事に慣れたつもりでいたはずなのに。

「今日のは、さすがにキツ……」

 心がこんなに痛むのに、自嘲のような笑みしか零れてこない。涙はとうに枯れてしまったのかも知れない。自ら深めて行った傷はもう、数年の時を経て身体の一部になってしまっているかのように。

 尚大との行為の途中で、この部屋に帰された。理由は聞いていない。けれども尚大がそんなにしてまで優先する相手はただ一人――尚大がずっと密かに、想い続けている相手だけ。


「そんなナツメさん見てたら俺……ナツメさんの事満足させてあげれてないのに、なんかナツメさんにスゲェ必要とされてるって気がする」
「んっ、……」

 耳朶に押し当てられた和大の唇が、ゆっくりと頬へと移動する。唇が少し動くたび、和大の唇が行き着いたそこを柔らかく吸い上げる。

「おま……マジでバカじゃねぇ? さっきまで俺が何してたか分かってんだろ?」
「ん……そんなの、全然いい」

 身じろいだら、和大により強く抱き締められた。

「ナツメさん……平気?」

 ぼんやりと目を開けたナツメを、和大が心配そうに覗き込む。

「ん……」

 ナツメはゆっくりとした瞬きと共に小さく頷いた。その様子に、和大はほっとしたように表情を緩めた。

「……金は? あんのかよ」

 いつから見ていたのか、河辺が壁にもたれて立っていた。

 何のための金の事を言っているのか分からなくて、和大は小さく首を傾げた。

「タクシー代。俺帰るから」

 財布の中身を思って、和大はまた押し黙った。タクシー代がここからどのくらいかかるのかも分からない。


「あっれ……あのクスリ、幻覚もあるんだったかな……」

 腕の中のナツメがぼんやり呟く。

「幻覚じゃないよナツメさん……俺だよ。和大」
「和大……? ……何しに来たんだよ」
「ナツメさん迎えに」
「……こんな俺、迎えにとか……バカだろ、お前」

 ナツメが気怠く身体を揺らして笑う。

「――俺らのあとにまだ順番待ちかよ。どんだけインランなんだよ」
「ちが……」
「黙れ」

 和大が言い返すより早く、河辺の手が出ていた。


 | Copyright © がっつりBL的。 All rights reserved. |  Next

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ