2ntブログ

2009年04月

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「位織」

 友永が位織の隣に腰を下ろし、位織の髪を梳くように撫でた。嫌悪にぞくりと粟立つ肌。気怠さに身体を動かすのも億劫で、友永の好きにさせておいてやる。

「大丈夫、ですか」
「――はい」

 情事のあと、位織の身体を気遣うような友永の言葉は、いつも位織を小さく苛立たせた。

「……尚大は?」
「――え?」
「今日は、どしたの」
「んー……、……」

 尚大が先刻店で言っていたことを言葉通りに受け取ったわけではない。

 確かに感じた、尚大の震える心。

 聞けばまた、位織自身傷付くかも知れない。けれどもそれで、位織の望みは繋がるかも知れない。

中野聡士 : 淳汰と恋人の仲になってわりと経った。
        現役バリタチ。でも相互貫通済みw


山井淳汰 : 聡士と恋人の仲になってわりと経った。元タチ。
        聡士に流される日々。でも相互貫通済みw 


於:淳汰んちのキッチン(狭い)。

*******************************************************

「こんなデケェの……絶対無理だろ」

「おま、俺のテクなめんなよ」

「もういいカンジだろ? やってみろよ」

「おう見とけよ。……よっと」

「あ」

「どーだよ見ろよこの美しさ」

「あーマジでな。わぁったよ俺の負けだ好きにしろ」

「あーいや、イヤなら無理にとは、言わねぇけど、……」

「ヤじゃねぇって。まあでもそこまで言うなら遠慮なく(ガバ)」

「え、ちょ、おいコラっ、せめてこのオムレツ食ってから……っ、んっ、ぁ……(←)」



……\(^o^)/


こんなカンジで日々二人でドッチが挿れるか賭けてたり。
ちなみにこの日はドデカオムレツをひっくり返せるかどうかを賭けてますw
でも賭けになってない、っていうw




『聡士×淳汰(タチ×タチ)』



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 その優しさが、位織に僅かな期待を持たせ、けれどもふと現実を省みた時、それが位織を傷付ける。

 ――全部、分かってる。

 位織が傷ついていても、それは全て位織自ら望んで選んできたことの結果だと。

 尚大は何も、悪くない。

 緩く笑って、位織はビールのプルを引いた。

※後半15禁くらいになります。




「位織さん」

 少しずつ飲んでいた位織のギムレットが空いたのを見計らったように、尚大が位織を見た。

「うち、来ねぇ? つうか、……」

 尚大が押し黙る。その先の言葉を言い淀んだ尚大が、いつもの彼より少し幼く見えた。その様子が、酷く愛しい。

「位織んいらっしゃいー。尚ちゃんがお待ち兼ねよぉ」

 二週間前に一度来たきりのはずなのに、位織に対して馴染みの客のような馴々しい言葉を掛けたマスターに、位織は苦笑いのような照れ笑いのような微笑を向け、カウンター席で位織を見つけて軽く手を上げた尚大の隣りに腰掛けた。

 友永の想いが強くなってゆくのを感じていながら、またそれを怖いと思いながら、別れを切り出すことができなかった。

 そしてやっとの思いで切り出した別れを、尚大との関係を持つためのきっかけとして利用した。

 それでももう止められない。

※後半より18禁挿れますたw よろすくおながいします。





 二人の間が静けさに包まれる。窓の外からはグラウンドでウォーミングアップをするラグビー部ののどかな掛け声がここまで微かに届くのに、ここだけが外界から切り離されたように空気が張り詰めていた。

 位織は震える手で、持っていたマグカップを机に置いた。

「コーヒーを、飲みますか」
「……、はい」

 友永に勧められ、位織は友永のデスク横に置かれた椅子に座った。先々週位織に迫る友永を河辺に見せて以来、授業で何度か友永には会う機会があったが未だその事について彼から何の言及も受けていなかった。

 ――何の話だろう。

 位織は僅かに緊張した面持ちで、コーヒーメーカーのデカンタからマグカップに褐色の液体を注ぐ友永の手元をじっと見つめ、彼の言葉を待った。

 位織は尚大に手を伸ばした。

「尚大……」

 気付いたら、彼を抱き締めていた。尚大の本当の気持ちは分からない。けれども尚大が浮かべるこの表情には、抱擁が必要だと感じた。

「位織さん? ……」

 尚大は驚いたように一度目を見開いたが、位織が黙って抱き締める腕の力を強めると、吐いた呼吸とともに尚大の身体から力が抜けた。

「んー……あるよ、高校ん時。でもやっぱ、あんま気持ち向けられ過ぎると重く感じんのかな俺。結局長く続いたことはねぇよ」

「相手は? ずっと男?」
「ん、ずっと男」

「尚大なら女の子にもモテそうなのに」
「なにソレ。いらねーし」

 位織さんだって、分かるっしょ? と尚大が苦く笑って、身体を揺らす。

 尚大の部屋は三階の、見晴らしの良い角部屋だった。中は学生マンションらしく単身者向けのさして広くはない一部屋に、必要最小限の家具と家電が置かれていた。

 殺風景にも見える部屋の片隅にはバイク雑誌が積み上げられている。定食屋で少し聞いた、アルバイト代の多くがバイクに消えて行くと話していた尚大の言葉を思い出しながら一番上の一冊を取り、ベッドに背を預けて座った位織は読むでもなくぱらぱらとそれをめくった。

 二人が店を出て行くと、店内は元の静かなざわめきを取り戻した。

「――今のヤツ」
「え?」

 尚大が空いたグラスに手酌でビールを注ぎながら、ぽつりと呟くように言葉を零した。尚大の声に導かれるように、位織は尚大の表情を見た。

「ナツメちゃん待ち合わせ? ――そう、トオルんはいつ来るの? ――それならちょっと一曲弾きなさいよ。――いいじゃない、一杯ご馳走するからぁ」

 ナツメと呼ばれる青年の声は小さいのか、それとも通りにくいのか、彼と話すマスターのハイテンションな野太い声だけが位織の耳に届く。

 『重くなった』

 この言葉を使った理由(わけ)。それは。

 ここのところ友永が離婚を匂わせ始めていたことに戸惑いを隠せなかった。自分がその原因になってしまうのが怖いと思った時、既婚者である友永に恋をしていただけだったのかも知れない、と思い至ったから。

 そして何より。

 連れて来られたのは尚大がよく来ると言っていた、彼のテリトリーとも呼べる店。女言葉を使うマスター。店内を見渡せば、男ばかりの客層。

 位織は確信した。

 尚大の内にも存在する、秘められた告白欲を。

 尚大は話したがってる。

 自分も、位織と同じだと。


 位織を後ろに乗せ、尚大は彼の住む学生マンションまでバイクを走らせた。マンションの駐輪場にバイクを止め、ここからはすぐだから、という尚大に徒歩で連れて来られた一軒の店。看板には『エスプリ』と書かれていた。

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