2ntブログ

2010年03月

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 その手の中にあったものは、シリコンと思われる素材でできた男性器を象った黒い玩具と、ローションのチューブだった。

 ぼんやりと予想していた通りの展開ではあったが、やはりこう来たか、とほんの一瞬血の気が引く。

「どういうこと、ですか?」

 深井が突起を弾く手を止め、心底慎治の言うことが解らないといった様子で、言葉を噛みしめながらゆっくりとした口調で訊いた。

「クスリの力を借りて、だろ? んなモンの力借りねぇと、相手感じさせることができねぇの、かよ」

 深井を煽る言葉だと言うのは分かっている。この手のタイプは怒らせると激昂してしまいそうだということも想像はついた。

「ッ、……」

 己の意思を無視して、びくんと背が跳ねる。零れてしまいそうになった声は、どうにか喉の奥で押し殺した。

 明らかに、いつもと感覚が違う。

 嫌悪さえ抱くべき行為に出られているにもかかわらず、身体がじくりと淫らな熱を持ち始めるのを感じる。

 再びスーツケースに戻った深井が次に取り出したのは、枷と同様ながら先刻のものよりは細い、革製の短いベルトだった。

 それが何なのか解らずに、深井の手元を凝視する。深井の視線を首元に感じて、それが首輪だと数秒かけて理解した。

 慎治に粘着質な視線を流すように送りながら、深井は黒い革製のそれをするりと撫でた。

 意思に反して、感覚は研ぎ澄まされてゆく。

 今なら部屋を照らす天井の灯りに流れる電気の音まで聞こえてきそうな気がする。

 肌に触れる空気の流れにさえ身体が過敏に反応してしまいそうで、身じろぎひとつもできない。なのに恐れに対する感覚だけは鈍ってゆく。深井に対し、やるならなんだって受けて立ってやる、という思いが次第に強くなってくるのを感じる。

河辺尚大 :27歳。位織と7年のせふれ生活を経て、やっと恋人同士にw

竹内位織 :30歳。耐え忍ぶ愛人生活が長すぎて、未だに遠慮がちw


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「位織さん、明日休みだろ?」

「ん……どしたの」

「行きてぇとこ、ある?」

「……?」

「ドライブ行こうよ。二人で行ったこと、ないっしょ」

「……、……」

「あんま気乗りしねぇ?」

「ちが……」

「んー……じゃ何?」

「何言えばいいのか……その、嬉しすぎて」

「位織さん……好きだよ。俺の恋人だってことに、早く慣れて」

「ん……、ぁ、……尚大、っ」

「続きしながら、行きたいとこ、一緒に考えよっか」



で、遠慮がちに位織がリクエストしたのは『ダム』っつうw


尚大×位織


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 ふと、間近で深井が笑った。鼻を摘まれ、呼吸を塞がれた。

「……んっ、……」

 苦しさに、眉を寄せる。薄く開いた瞳で間近の深井を見上げると、それをじっと見詰めている深井の冷酷な瞳とぶつかった。

 その目が、口の中のものを全て飲み下すよう強要する。

 ――ヤバい。

 動じまいと余裕を演じたのが裏目に出たのだろうか。否、これだけ綿密に用意されていた計画だ。おそらくどんな態度に出ても、結局深井が予定していたことは全て遂行するに違いない。

 ならばせめて心だけは、最後まで守り通そう。それだけを心に、意を決した。

「綺麗な身体ですから、傷は付けませんよ。この手錠も痛くないでしょう? 柔らかい革ですからどんなに暴れても、肌に怪我を負うことはありませんよ」

 安心して下さい、と笑みを浮かべながら、深井が再びスーツケースに戻り、そこからスチール製らしき黒い棒をカシャリと音を立てて手に取る。長さ五十センチ程のその両端にはまた、手首に嵌められたリストバンドと似た作りの拘束具が付いていた。

 尖った神経に、糊の効いたシーツのごわついた感触が痛い。

 慎治はごろりと横を向き、深井の動向を窺った。

 深井は脱いだジャケットをクローゼットの中に掛けると、それと引き換えのようにその中からジュラルミン製のスーツケースを取り出した。

 大きさは深井の肩幅程もあるだろうか、しっかりとした造りのそれをベッドの上、慎治の足元に置くと、固い金属音を鳴らして鍵を外した。みっちりと密閉された蓋の合わせ目がひき剥がされる音がすると同時に、鈍い銀色のスーツケースの蓋が開いた。

 ごく紳士的に、タクシーに乗せられ連れてこられたのは、店からそう遠くないウィークリーマンションの一室だった。

 手の付けられた様子のないシングルベッドに、ごくシンプルな家電製品が設えられたその室内は、その部屋の基本設備なのだろう。生活感を感じさせない室内の様子から、この部屋がおそらくこの日のために借りられたものなのだろうことが想像できた。

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