「――これ、ください」
年に一度、電車を乗り継いで。
ヨーロッパの石畳とレンガ造りの建物を思わせる店。
俺は今年も、たった四つしか入っていないのに驚くほど値の張る小さな箱を買い求めにやって来た。
「ありがとうございましたー」
店員の明るい声と引き換えに、包みを受け取ってもう一度、確かめるようにディスプレイに視線を投げる。
その中身を口にする慎治さんを想像して、俺は微かに顔を綻ばせた。
年に一度、電車を乗り継いで。
ヨーロッパの石畳とレンガ造りの建物を思わせる店。
俺は今年も、たった四つしか入っていないのに驚くほど値の張る小さな箱を買い求めにやって来た。
「ありがとうございましたー」
店員の明るい声と引き換えに、包みを受け取ってもう一度、確かめるようにディスプレイに視線を投げる。
その中身を口にする慎治さんを想像して、俺は微かに顔を綻ばせた。