2ntブログ

2011年03月

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「――歩」

 寝室に一歩入った慎治さんが振り返った。一緒に寝室に入ろうとする俺を、強引ともいえるような強さでドアを引くことで遮って、その隙間から俺を見る。

 慎治さんが、俺を拒絶する。

 どうしていいのか分からなくて、体が動かなくなるのを感じる。

 ふと仕事の手を止めて、仕事部屋を出た。

 冬の部屋に、俺一人。

 低い太陽の日差しが部屋の深くまで届き、窓の外の寒さとは無縁のように床を暖かく照らしている。

 一人の部屋には慣れてるけど、妙な胸騒ぎがして辺りを見回したちょうどその時、玄関の鍵が外側から開いた。
 
 それができるのは、慎治さんだけ。

 驚いて、壁に掛かった時計を見る。午後四時半。慎治さんが仕事から戻ってくるには早すぎる時間帯だ。

 | Copyright © がっつりBL的。 All rights reserved. | 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ