抜けるような晴天。
広がるのは目を灼くほどの、銀盤。
――ここは。
「二十九センチふたつ」
ぎょっとした表情で、係員がエッジの付いた大ぶりな靴を二足、窓口越しの男二人に差し出す。受け取った二人は悠々と、ロッカールームに向かった。
「実は俺スケートしたことねんだよね」
二人で見ていたスポーツニュース、マオちゃんをぼんやり眺めながら聡士がぽつりと呟いた。「じゃあ行ってみようぜ」と、したり顔で誘ったのは潤汰だった。
そんなわけで聡士と潤汰、二人で屋外スケート場に来ていた。
「ちょ、待てって……わっ」
銀盤に乗っかった途端、覚束ない足元で潤汰を追おうとした聡士が早速しりもちを付く。180センチを超える聡士の転びっぷりはその動きまで大きい。驚いた他の客たちが一歩下がり、聡士の周りにはぽっかりと輪ができた。
「え、マジ?」
初めてならこんなものだろうと潤汰が予想していた以上というか以下というか、とにかく聡士のスキルの低さに誘った潤汰も目を丸くした。
「ちょ、手貸せって、手」
潤汰に助けを求めて差し出された手。ほんの少しの躊躇の後、潤汰はどぎまぎとその手を取った。
――だって人前で手とか、……。
がっしりと繋がった手。手袋ごし、感じる聡士の手に、柄にもなくときめいた。
などと感慨に浸ったのもつかの間、がっつり握られた聡士の手に、下に向かって負荷がかけられた。
「って……うわっ、ちょ……」
日頃乗っかられている分聡士の重さについては誰よりも詳しい自信はあるが、いかんせん想定外の体重移動だった。
今度は淳汰もろとも氷上に崩れ落ちる。
二人を避ける人の輪がさらに大きくなった……気がする。
→3/2へ
聡士×淳汰
おひさしブリーフ(;´∀`)
リア引越しに伴う&その他のリア多忙によりパソに全然触れませんw
3回完結まさかの聡士×淳汰w
少しばかりお付き合いください
じゃじゃ馬は引越しが済んだら再開予定です!
お待ちくださってる方、ありがとうございますつД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚
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広がるのは目を灼くほどの、銀盤。
――ここは。
「二十九センチふたつ」
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「実は俺スケートしたことねんだよね」
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そんなわけで聡士と潤汰、二人で屋外スケート場に来ていた。
「ちょ、待てって……わっ」
銀盤に乗っかった途端、覚束ない足元で潤汰を追おうとした聡士が早速しりもちを付く。180センチを超える聡士の転びっぷりはその動きまで大きい。驚いた他の客たちが一歩下がり、聡士の周りにはぽっかりと輪ができた。
「え、マジ?」
初めてならこんなものだろうと潤汰が予想していた以上というか以下というか、とにかく聡士のスキルの低さに誘った潤汰も目を丸くした。
「ちょ、手貸せって、手」
潤汰に助けを求めて差し出された手。ほんの少しの躊躇の後、潤汰はどぎまぎとその手を取った。
――だって人前で手とか、……。
がっしりと繋がった手。手袋ごし、感じる聡士の手に、柄にもなくときめいた。
などと感慨に浸ったのもつかの間、がっつり握られた聡士の手に、下に向かって負荷がかけられた。
「って……うわっ、ちょ……」
日頃乗っかられている分聡士の重さについては誰よりも詳しい自信はあるが、いかんせん想定外の体重移動だった。
今度は淳汰もろとも氷上に崩れ落ちる。
二人を避ける人の輪がさらに大きくなった……気がする。
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