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2012年08月

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 山中が帰ってきたことの安堵より、緊張に足が竦む。動けないまま、山中を凝視した。

 逆光ではっきりとは分からなかった山中のいでたちが、大敬に近づいてくるにつれはっきりと見えてきた。

 ――え?

 山中の服装に、ほんの少しひるむ。

 黒いスーツに、黒いネクタイ。言わずもがな、山中が今まで行っていたところは、法事か、葬儀だ。


 時刻は午後四時。

 大敬は山中の住むマンションのエントランスに立っていた。

 大敬が来てから今まで五分は経っただろうか、人の出入りは一度もなく静まり返っている。インターフォンで山中の部屋番号を呼び出してみたが、返事はなかった。

 反応のないインターフォンを、その向こうに山中を見るように睨みつける。

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