山中が帰ってきたことの安堵より、緊張に足が竦む。動けないまま、山中を凝視した。
逆光ではっきりとは分からなかった山中のいでたちが、大敬に近づいてくるにつれはっきりと見えてきた。
――え?
山中の服装に、ほんの少しひるむ。
黒いスーツに、黒いネクタイ。言わずもがな、山中が今まで行っていたところは、法事か、葬儀だ。
逆光ではっきりとは分からなかった山中のいでたちが、大敬に近づいてくるにつれはっきりと見えてきた。
――え?
山中の服装に、ほんの少しひるむ。
黒いスーツに、黒いネクタイ。言わずもがな、山中が今まで行っていたところは、法事か、葬儀だ。
時刻は午後四時。
大敬は山中の住むマンションのエントランスに立っていた。
大敬が来てから今まで五分は経っただろうか、人の出入りは一度もなく静まり返っている。インターフォンで山中の部屋番号を呼び出してみたが、返事はなかった。
反応のないインターフォンを、その向こうに山中を見るように睨みつける。
大敬は山中の住むマンションのエントランスに立っていた。
大敬が来てから今まで五分は経っただろうか、人の出入りは一度もなく静まり返っている。インターフォンで山中の部屋番号を呼び出してみたが、返事はなかった。
反応のないインターフォンを、その向こうに山中を見るように睨みつける。