2ntブログ

2009年07月

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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本日12:00更新の記事でもお伝えしましたが
世界やおいデー前日の今日7月31日、
当ブログ開設2周年を迎えますたー(*´∀`)

これも一重にお越しいただくみなさまの色んな支えによるものでし(´Д⊂ヽ
本当にありがとうございます゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜


1周年時にもお祝いを頂いたのですが今年も(*´∀`)
1周年時にリクしておいた通り(←)
2周年のお祝いを超まいしてうfxdのハナさんが書いてくださいますたアッ――!

『2009年二の丑、アレから幾年…とうさん、ぼくたち大人になりました』

この一年の間に彼らの世界では激動の(?)十数年が経っていたようですw
801の世界に女子は不要すね、分かります(*´∀`)

ハナさん今年もあざしたーっ(´Д⊂ヽ
そしてこれからもよろしくおながいします(*´∀`)人(´∀`*)




いつもお越しいただくみなさまにもほんと感謝でイパーイでし(´Д⊂ヽ
頼りない管理人ですが
これからもまったり続けて行きたアッ――!いとアッ――!
思ってますんで(;´Д`)ハァハァ
ビシバシケツ叩いてやってくださいお願いしまアッ――!すハァハァ


2009/07/31 『ほんわかBL的。』 管理人ベラ拝




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 部屋に入ると、ガラス窓の向こうに玉砂利が敷き詰められた日本庭園が見えた。

 据え置かれた石が苔むしているのが老舗旅館の風格を醸し出している。

 隣室から仕切られたその庭の一角には、飛び石で辿り行く岩の湯船が静かに、なみなみと湯を湛える。

 そのさらに向こうには、凪いだ海が一望できた。そっと窓を開け、耳を澄ませば、鼓膜を優しくくすぐる、波の音。

「いいところだね」
「ん、想像以上だな」

 黙って二人、肩を寄せ合って景色に見入った。

 歩と慎治、ふたりは老舗で有名な温泉旅館に来ていた。

 老舗と言っても建物は現代風に改装もなされている。モダンな造りの和室にはアンティークを思わせる重厚な家具がしつらえられ、壁には有名画家の作品と思しき近代絵画が掛かる。

 久しぶりに二人で取った休暇。

 ここのところずっと、忙しそうだった慎治の手を煩わせたくないと、慎治に代わって初めて歩が全てを手配した。

 こういった作業は今までいつも慎治に任せきりで来た。

 初めて歩が経験したこの作業、やってみればどんな面倒を今まで慎治が黙ってこなしてきてくれていたのか、その労が身にしみた。

 途中慎治に何度か伺いは立ててはきたものの、初めて歩自身が選んだ宿、本当に予約が取れているのかさえ不確かで、ここに来るまで不安は拭えなかったが、じっと海に見入る慎治の横顔をそっと見つめてやっと、ここを選んで良かったと、歩はほっと安堵した。

「――慎治さん、疲れてない?」

 いつまでも景色を見ている慎治の耳元に唇を寄せ、囁くように問い掛けた。

「ん、大丈夫。歩は?」
「俺は全然」

 耳元に歩を感じてくすぐったそうに笑う慎治が愛しい。そのまま耳朶に口づけると、慎治は歩をいなすように視線を流し、薄く開いた唇を歩のそれに重ねた。



→2へ
歩×慎治

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■□■□■あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!ございマス(*´∀`)■□■□■

世界やおいデー前日の本日7月31日、当ブログ2周年でございます(*´∀`)
みなさまに支えられてここまで続けてこられた2年間でございます(´Д⊂ヽ
本日よりしばらく2周年記念御礼として
かねてよりリクエストも頂いておりました
あゆしん番外をお送りさせていただきます(*´∀`)
ええと、書ければ更新、みたいなつもりでいますんで
こちらの話は2,3日に一度更新目指したいと思います。
R入れようと思ってるんすけど
あゆ×しんか、しん×あゆか、
どっちがよろしすですかアッ――!
どちらにしても話の流れにより
上に乗るのは多分歩になります\(^o^)/

僭越ながら投票でお伺いしたいと思いますので
よろしければご協力お願いいたします(*´∀`)(投票はパソからのみ有効です)
(で、力不足により応え切れられなければほんとすいませんorz)

投票フォームは(2)へ移動しました。

※若干15禁くらいの描写が後半部分、あると思います(*´∀`)







 締め切りをいくつも抱える会社の性質上、オフィスで夜を過ごす社員も多い。そのため仮眠用の簡易ベッドが一台、別室に設置されている。七月は望木を目線で従えて、パーテーションで仕切られただけのその部屋に入った。

「――俺風呂入ってねぇよ?」
「俺も入ってないよ」

 良いのかと視線で問う望木に笑って頷いて、七月自ら上衣を脱いでベッドに乗り上げた。

「あー? 昨日M食品上げたとこなのに明日……つかもう今日か、今日まただっつの。それもこれも俺が有能過ぎる所為だけど、にしても俺のこと働かせ過ぎなんだよ」

 ぼやいているのか自慢しているのか、いずれにしても忌々しげに片眉を上げ、ビールのプルを引く。

 七月はくすりと笑って、彼に続いてプルを引いた。

「……カラダ、汚れただろ?」
「や、いい……」
「そっか」

 我に返ったようにはっとして手荒に自らを拭う七斗を横目に見ながら、七月は脱がされ床に落ちたままだった下衣を拾い上げ、再び身に着けた。カフェオレ色の短い髪を一度手櫛で梳いて、一つ、小さく深呼吸した。

※18禁部分、今回で一旦終了す。おつきあいあざした。
 引き続きよろすくおながいします。








 あの時、七月に言い寄っていた横井に応えたのも、そもそもは七斗が七月の元から去ってゆくのを目の当たりにしたからだ。あの時はあれでも横井に救われたと、今となっては思っている。

「話はそれだけ? なら俺……ちょっと出かけてくる。部屋は好きに使ってくれたらいいよ」

 男と寝ることを止めたところで、七斗が七月の元に戻ってくることもない。年齢を重ねると共に大きくなってゆく欲望。こうやって七斗と時折顔を合わせて話をするだけでは、満たされないと感じる程に。


「――とりあえずうちなら、いたいだけいたらいいよ。明日、合い鍵作ってくる」

 七斗を理解できないようなオンナたちの元に行かせるくらいなら。

 ――ずっとここに、いればいいよ、七斗。

 七斗が側にいる苦しさに耐えられなくなったらいつものようにまた、別の相手にそれを求めれば良い。その方法なら嫌と言う程知ってる。

 もう、十代のあの頃とは違う。

 七月は静かにビールを喉に通した。

 ビールを呷ることで上下する喉仏。

 よく陽に焼けた肌。

 こんな時間に寝癖なのか、少し跳ねた無造作な髪。

 無精を意図しているのか本当にただの無精なのか、まばらに生えた髭。

 でもこれでいて内面は、繊細なところがあることも、一緒に育ってきた七月は知っている。

 そのどれもが、強く七月を惹き付けてやまない。


 中に入り靴を脱ぐと、あとに続いた七斗が七月のうなじに鼻先を寄せ、くん、と匂いを嗅いだ。

「……、……なに」

 触れるか触れないかの距離。思わず息が詰まるのを感じながら、それを悟られないように片眉を上げて振り返った。

「ボディソープの匂い? また男遊びかよ。相変わらずだな」

 七斗の苦笑混じりの笑みが視界に飛び込む。

 七月と変わらない七斗の背丈。

 虚勢だと分かっていたが、薄く笑って七斗を見返した。

「来るなら前もって携帯に連絡くれって言ってるだろ」
「料金支払い滞ってて繋がんなくなってんだよ」

 しれっと答えて七斗は笑った。

 絶頂を迎える時、いつも網膜に広がる光景。

 それがいつのものだったか、本当にこの目で見たものだったのか。今となってはそれも曖昧なまま、今日もまた、疲弊した身体の内に虚しさで占められた心をひっそりとしまい込む。

 その身体の疲れもまた快楽を愉しんだ証として、七月はいつもとさして変わらない足取りで自室のあるマンションに向けて夜道を歩いていた。

※後半に少し。15禁でおながいします。






 ――思ってたより早く来た、な……。

『ずっと二人のままじゃ、いらんないもんな……』

 この日を予言するかのような言葉。

 七月の密かな願いは鍵をかけた箱の中のまま、心の奥底にひっそりと、仕舞い込まれた。

 恋と呼ぶ、その形になる前に。

 同じ高校に通う二人が、時折行動を共にすると、相反するような二人なのに空気が共鳴し、周囲のものは思わず息を呑んだ。

 『小池フェロモン兄弟』

 いつしか二人が意図せず囁かれるようになった呼称だった。





『ずっと二人のままじゃ、いらんないもんな……』

 七月には、彼がそう言ったも同じに聞こえた。

 気付かれないようそっと、彼に視線を向ける。

 自分とよく似た面立ちの彼は、二頭が見えなくなるまでずっと、空を見上げていた。

 彼のその言葉は七月の心の鍵穴に刺さり、かちゃりと小さな音を立てて七月の心に鍵を掛けた。









※18禁描写あります。よろすくおながいします。





 マンションだった二人の部屋のベランダに出て、そっと虫かごの蓋を外した。

 二頭の蝶は、飛び立った。

 ゆっくりと、戯れ合いながら。

 大空へと。

 広い世界に出ても、互いの存在しか知らないかのように。








「このまま置いてたら、また農薬撒くよな」
「うん……」

 定期的に、農薬が散布されることは二人も知っていた。散布直後の畑の周囲は独特の臭気が澱み、風に吹かれてその澱みが少しずつ霧散する。これが虫たちを死へと追いやる匂いなのかと思うと、胸一杯吸い込むと自分たちもいつか虫たちと同じ道を歩かされてしまいそうな気がして、子供心にもその澱んだ空気で肺を満たすことが憚られた。

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