Sometime Butterfly（９）（R18)

　七月の胸元には、横井が顔を埋めるように唇を寄せる。あぐらで座る横井の上に、七月は跨ぐように座って自分の下に座る男に下肢を押し付けた。背後では横井の性を煽るように、腰を揺らして横井の中心を擦り上げる。

「七月、ここで最後までヤんねぇ……？」
「んー……、……」

　背に這う横井の手のひらを少し煩わしく感じつつも、どうしようか、とぼんやり迷いながら、七月はふと、何か見えない力に誘われるように前庭を見下ろした。

　――七斗……。

　そこにいた弟は今日も、女と一緒だった。七月がここ最近いつも、男と一緒にいるのと同じように。

　七月の視線を追って、横井も前庭を見下ろした。

「ああ、小池弟か。一緒のオンナ、この前のと違うんじゃね？　オンナの方が逆に喰う気満々っつうカンジだな。……どっちにしても兄弟揃ってエロいのには」

　変わりねぇな、と小さく鼻で笑って、横井は七月のはだけたシャツの合わせ目から覗く、胸の突起を舐め上げた。

「んっ……」

　ひくりと下腹部を震わせて、七月は小さく眉を寄せた。

　その時。

　不意に、七斗が顔を上げた。　彼の周囲にいる誰も、空を見上げることなんてしないのに。

　七月が呼び寄せられるように、彼を見つけたのと同じように。

　瞬間、目が合う。途端、七月の体温が上がる。

「っ……」

　七斗はそれを睨み付けるようにじっと見て、そしてふい、と七月から視線を外した。

「あっ、……」

　横井が胸の尖りに歯を立てた。前庭を見下ろしたまま止まってしまった七月の意識が、無理やり横井の元へと呼び戻される。





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