2ntブログ

2007年11月

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 少し余韻を楽しんで、抱き合いながらシャワーを浴びた。歩の髪を拭いてやりながらふと時計を見ると、針は夜十時前を指していた。

「歩お前、帰んねぇと」

 慎治の目線を追って、歩も時計を見た。

「あーホントだ」

 歩は慎治の下をするりと抜けて、脱ぎ散らかした制服の内ポケットから携帯を取り出してどこかへ電話をかけた。

※性描写アリです。18禁でお願いします。


「慎治さん、……俺は慎治さんと、してぇんだよ」

 抱き締めた肩越しに歩が呟く。その拗ねたような声が身体に染み渡って、腹の中が熔けそうに熱くなる。

「だーから。俺はもう……お前の何も拒めねんだって」

 慎治は歩の背を撫で、耳元にキスをした。



 マンションに戻ると、先に中に入った歩が振り返り、慎治は玄関のドアを背に逃げ場ない形で挟まれた。年齢差に反して体格差はほとんどなく、同じ高さの目線で見据えられる。

「……なんだよ」
「……なんだよ?」

 歩が焦れたように目を眇めて聞き返した。


「……歩」

 二日振りに声にしたその名前は、喫茶店で三杯目のコーヒーを注文して以来長時間話さなかった慎治の喉を通ると、少し掠れた。歩は慎治を見据えて立ち止まった。

 見渡せる窓際に陣取りとりあえずコーヒーを頼む。門を見ていないとならないので新聞も読めない。煙草は接客業に就くと決まった大学四年で辞めた。本当に何もする事がない。いや、歩を見つけたら何を言うか、考える暇があると思えばいい。

「だからここにはシータを使ってだな……」

「あ? 舌使う?」

「サインコサインタンジェントは覚えて……」

「さーチンコさインサート?」

「お前……わざとだろ」

「うわかっゆ! 俺耳かっゆ! 超かっゆ! ちょ……助けろって」

「……ちょっと待ってろ」

(パーパッパラー綿棒~)

「お~イイね綿棒~……ん~(綿棒じー)」

「……どうした悦朗?」

「……点呼行っとく? 207成田羽田。マゾウケ二人」

「……突然何を」

「綿棒でやるっつったら決まってんじゃん? あ、栓するロウソク要るな……(ゴソゴソ準備)」

「点呼は夜十時だろ? 今十二時だぞ」

「んあ? 十時も十二時もそんな変わんねーだろ? 来たかったらお前も来いよ?」

「あ、ちょ……待てっておい……、俺も行く」



彼らの通う高校につきましては私立BL妄想学園高等部をご覧下さい。


エロタンお勉強即効放棄。勉強を見てるのは言わずもがななあの方です。 

 出て行く歩に声をかける事もなく、立ち上がる事すらできないまま、ドアの閉まる音が部屋に響いた。慎治はゆっくり、一度瞬きをして、やっと動けるようになった自分を確かめるように、長い溜息を吐いた。

fxdのハナさん主催の学園。通称モー(妄)学。
ヘンタイばかりの萌え萌え全寮制男子校。
学園の生徒の何人かを私も動かさせてもらってます。
登場人物はどんどん増えてく…予定wwwww
ギャグ・シリアス・鬼畜・バカなど色々取り揃えております。
ぜひご賞味ください。

詳しい学園情報はこちら→私立BL妄想学園高等部


<これまでの生徒たちの動き>

副寮長・橘悦朗(ベラ)

理事長孫・鬼塚隼人(ハナさん)
  
生徒会書記(ハナさん)

生徒会書記・若色好衣(ベラ)

寮長の受難(やふーさん)

寮長の受難・ほんわかBL的。編(ベラ)

サッカー部部長・大空司(ハナさん)

ドクター・的場悦朗(やふーさん)

生徒会会計・愛染望(ハナさん)

副寮長・橘悦朗・勉強中(ベラ)

生徒会副会長・赤星光輝(ハナさん)

鬼塚隼人・幸せ満喫中(ハナさん)

ドクター・的場悦朗 生贄(やふーさん)

赤星・愛染ふたりきりの生徒会室(ハナさん)

鬼塚と愛染・恋愛談義(ハナさん)

若色好衣・下級生捕食中(ベラ)

秘密の副理事長室(ハナさん)

サッカー部2年・岬 良太(ハナさん)

若色好衣・下級生捕食中2(ベラ)

秘書風祭・始動(ハナさん)

雨の日の保健室(やふーさん)

策長映太・虎視眈々(ベラ)

橘悦朗・下級生調教中(ベラ)

秘書風祭・始動、隼人説得編(ハナさん)

臼井倖哉・映太捕獲中(やふーさん)

橘 悦朗・若色 好衣・鬼塚 隼人、それぞれの芽生え(ハナさん)

倖哉vs映太(やふーさん)

橘悦朗・弱点(ベラ)

鬼塚隼人・思い出(ハナさん)

橘悦朗・初体験(ベラ)

赤星・愛染ふたりきりの3年雪組(ハナさん)

橘悦朗・発熱(ハナさん(隼人)・ベラ(悦朗))

橘悦朗・日常≠非日常(ベラ)

鬼塚隼人・日常=非日常(ハナさん)

赤星・愛染ふたりきりの屋上(ハナさん)

橘悦朗・吐息の数だけ早まる鼓動(ベラ)

秘書風祭の親心(ハナさん)

副寮長橘悦朗・寮内世直し諸国漫遊の旅(ベラ)






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※18禁です。

「橘……」
「あー? 何?」
「寮管理の事、君にも知っておいてもらいたいから、……ちょっと」

 いつもの調子で友人との過剰なスキンシップでふざける橘を見ていられなくて、思わず声をかけた。

『橘を副寮長にしたのは奴の素行矯正の意味もあるから』

 しっかり頼むよ、と先生からも頼まれた。そんな事言われなくても、この立場を利用するつもりだった。

「……で、点呼は夜十時。没収する物は……」

 寮長の特権である一人部屋に橘を呼び入れて、それらしい説明をしてみせる。

「ふーん」

 橘からは、彼らしい気のない返事が返ってくる。

 ――痛い。

 橘が、僕を見る視線。返った声とは裏腹に、射抜くような。どういうつもりで僕を見てる? 呼吸が、浅くなる。身体が、熱を持つ。

「んあ? 寮長ダイジョブ?」

 橘が僕の額に触れた。触れられた部分から流れ込んで来る、全身を殴り付けるかのような衝撃。音を立てて、僕の中で何かが崩れた。

「橘……して……欲しい……」

 気が付くと、橘を乞い求める言葉が口をついて出ていた。

「……お前病弱なんだろ? 知んねーよ?」
「構わない……」

 僕は服従を示すように、跪いて橘の下肢に口付けた。髪を掴まれ見上げると、橘は僕を見て楽しそうに笑っていた。


「ぁ……、あ、ぁ、ふっ……、んっく……」

 僕だけが裸に剥かれ、容赦なく穿たれる。その痛みに、全身が悦び震えているのが分かる。本能で全てを察知して生きている、この男に触れられる箇所全てが性感帯に作り変えられる。

 不意に、部屋のドアが開けられた。霞む視界に映ったのは、理事長孫の、鬼塚隼人。僕は縋るように橘を見た。お前のために呼んでやったんだよ、と楽しそうに橘が僕に笑いかける。

「残念だったな。悦朗ひとりじゃなくて」

 その言葉に暗示をかけられたように、僕の視界は暗闇に包まれた。

 口内を、犯される。喉を開く事を強要され、咳き込むと、頬を打たれた。

 ――これは、罰だ。ほんの一瞬でも、彼を自分のものにしたいと思った。誰のものにもならない彼を。

***********************************


「ゃ…たち…ば……も……」

「つーか。誘ったのお前だしぃ」

「寮長。ちゃんと咥えろって。俺まだ四回しかイってないんだケド」

「んっ…ふっ……」

「あー。孫タン可愛そうジャン。そんな風に扱っちゃあ、寮長泣いちゃってるヨ」

「啼いてるだけだろー」


「ふっ…あっ……」

「悦朗、次の授業フケって。健康的にアオカンしねぇ?」
「えー。俺、次の授業、単位足んないんだよナァ」

「俺が、何とかすっから」
「マジィ?孫タンがそういうなら、俺、フケろうかなぁ、あ、そうそう次、数学ね」


「っ……」


「俺さぁ、一年の美術部。なんつったっけ~?ネコみたいな顔で背がちっこい奴が良いんだよねぇ」
「一年…?あー、最近、入った転校生?」
「そうかもー」


「……」

          twin eyes
          私立BL妄想学園高等部~寮長の受難~より
************************************

 まるで僕がそこにいないかのような会話。この身体は、確かにここにいる二人を受け入れているのに。部屋に響く自分のものとは思えないような喘ぎ声さえも、二人の会話を止める事はできなかった。

 身体から、心が離れて行く。弄ばれ、最早自分の物でなくなった身体。それに反して、心だけは焦がれ続ける。彼に貫かれてこの世を去れるなら。――総てを投げ打っても構わない。

 そうしてこの瞬間僕は、暗い闇の縁に意識ごと墜ちていった。


オワリ

彼らの通う高校につきましてはfxdハナさん宅私立BL妄想学園高等部をご覧下さい。


……すいません。やふーさんの寮長読んだらまた止まらなくなってしまいます太。
やふーさんの雰囲気に飲み込まれてギャグ封印☆
痛い系シリアス慣れねーwwwwwwハズカシスwwwww
雰囲気出せたでしょうかwwwww
ハナさん、やふーさんお二方の了承を得て
当ブログにてうぷらせていただきまんた。
今回はハナさん、やふーさんのお二方に勝手に捧ぐwwwww

寮長は若干電波なMウケだった事が判明。
そして入院の原因も明らかに。
しかし学園の鬼畜ツートップにヤってもらえたとなれば
他のMウケたちからはさぞや羨ましく思われている存在に違いない…wwwww



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「……なんつーか……。一週間、あんたの、……慎治さんのおかげて……兄貴の事全然考えなくてすんだんだ。……だから」
「だから? ……どういう事か分かんねんだけど」

 また丁寧な取り扱いでネクタイを袋に戻し、改めて歩を見る。目が合うと、歩は伝わらなくてどかしいのか、悔しそうに唇を噛んだ。

■登場人物
 生徒会書記・若色好衣(鬼畜受) 
 アメリカンフットボール部所属・後輩A(不敵系攻)
 副寮長・橘悦朗(鬼畜攻・バカ)

***********************************************

「何見てんだよ? 俺とヤりたいの?」

「そっすね、ヤりたいすね」

「そう言うからにはテクに自信あるんだろうな?」

「まぁ……普通ですかね」

「なんかその言い方……気に入らねーな。上等じゃん、屋上来いよ? 巧くできなかったら……分かってるだろうな?」

「今はできないっすよ」

「なんだよ自信ねぇの?」

「……先輩が俺を好きになってからでないと」

「なんだよソレ?」

「先輩を、気持ちまでイかせてやりたいんで」

「ば……」

「おー? お前ら何話ちゃってんだよ?(尻モミモミ)ヨッシーヤらせろよ?」

「お前な……俺は年下専門だって何回言わせるんだよ」

「あ、そうだっけ? だから俺お前とヤったコトねーの?」

「……じゃ、俺はこれで」

「おう、じゃな。今度ヤらせろよー?」

「なんか……助かった」

「何が?」

*******************************************

fxdのハナさんのキャラ生徒会書記タンの記事を読んでから
妄想が暴走して止まらないどうしようごめんーとハナさんに言ったら
ウチでアプしていーよなんて寛大なお言葉を頂戴した上に
書記タンの命名権までいただいて勝手に命名その名も若色好衣(わかいろよしい)
こんな名前で良かったかなハナさん…ダメならいつでも変更可能☆
そして副寮長は相変わらずバカ…ヤツの「だ」の発音は限りなく「で」に近い「だ」でおながいしますwwww
副寮長橘悦朗の妄想も描いてますのでよろしければドゾー

三人の通う高校につきましては私立BL妄想学園高等部をご覧下さい。

ハナさん、あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!
そしてこれもハナさんに捧ぐwwwwww
 仕事からの帰り道、ホテル前はまた礼服とドレスが集まっていた。また土曜か、とその人だかりを見て思う。
 
 あれから一週間。背後の痛みはとっくに引いた。けれども心の端っこで燻っている気持ちは収まらず、むしろじりじりと延焼しているかのようだった。それを熱い湯で流してはもみ消す、一週間だった。
「カツ丼とビール」

 慎治はジャズなんかが流れる静かな雰囲気のバーカウンターで、その雰囲気ブチ壊しなメニューを注文した。
※ドギャグですが一応性描写らしきものがありますので18禁でお願いします。

 俺、橘悦朗。私立BL妄想学園高等部に通うごく一般的な男の子。強いて違うところをあげるとすれば俺が鬼畜バリタチってとこかナー。

 俺は学園の寮に住んでるんだけど、副寮長なんつー肩書きを持ってる。人望ありまくり? って言ったらココロの友理事長孫タンが「いやそうでもない」とかあの顔で言うんだよね。あ、そう言えば俺が副寮長に選ばれた理由がソコーキョーセーとか言ってたけどそれ誰だよ? モノマネタレント?

 先日から寮長が病院に入院してるから実際問題俺が寮長やってるワケで。やっぱ寮内の治安維持は大事っしょ? 責任感ある俺は今日も七つ道具持って今から点呼タイム。

 ノックすると隠すかもだから不意打ちいきなりドアを開けるコレ常識。テストにも出るから覚えとくように。

「はい点呼ぉ~っ! 203梅田難波~……お?」

 暗い部屋で目を凝らしたら裸で抱き合う梅田難波発見。

「おいおいお前ら俺の点呼タイムに何してくれちゃってんだよ?」
「点呼って……今何時だと思ってるんだっ! 点呼は夜十時と決まってるはずだっ」

 言われて俺は時計を見た。

「今……一時? あんま変わりねーし」
「かっ……変わるだろうっ?」

 ずんずん近付く俺から難波を守るように梅田が俺の前に立ちはだかる。俺は梅田の手首を取った。

「お前がタチ?」
「は?」
「いつもお前が難波に突っ込んでんのか、って聞いてんだよ」
「そ……そうだ」
「ふーん」

 柔道部の部長なんかやってていつも硬派ぶってる梅田がちょっとはにかんだ。

「寮内治安を守り隊隊長の俺が」

 ガチャリ。七つ道具の一つ、必殺手錠を梅田の手首に掛ける。

「寮長に代わってオシオキよ?」

 うーん俺カッコよくね? 寮長っていつもこんな仕事やってたんだな。
 ガチャリ。手錠のもう一方をベッドの縁に掛けた。

「おいっ何す……うぁっ」

 スキだらけの部長をあっという間にベッドに落とす。相手がデカいヤツ程興奮する俺だけど、こんなにアッサリ俺に組み敷かれてつまんねーな。コイツマジ柔道部部長?

「おい難波?」

 七つ道具の必殺ローションを取り出して梅田のウシロに塗りたくりながら部屋の端っこで裸で震える難波を見た。難波は怯えてるのか返事もできないらしい。そんな怯えんなって。ゾクゾクすっから。

「お前さ、梅田に挿れた事ある?」

 難波に訊きながら、もがく梅田を押さえ付けてその背後にまた七つ道具必殺ディルドーをブスリと突っ込んだ。ディルドをちょっと揺すってやったら梅田はあっという間に甘い声を漏らした。はえー。

「な……いです」

 オドオドと難波は答えたが俺は見逃さない。その下半身はオドオドどころか元気に首を擡げて来てるのを。

「お前、梅田に挿れてーだろ?」
「そ……そんな……」
「挿れてやれよ? ほら、待ってんじゃね?」

 言いながらディルドを抜き挿ししてやると梅田はハシタナイ声を上げた。

「お前がやんねーなら俺が一応ヤっとくけど?」

 これが寮長の仕事だし? 代理だけど。仕方ねぇな。俺は自分の準備を始めた。

「待て……っ!」

 息も絶え絶えに梅田が叫んだ。

「難波……っ、俺に……挿……れてくれ……っ」

 俺は難波を見た。難波は顔を赤くしてクチをわななかせている。

「梅田君……僕……本当はずっと……君に挿れたかったんだ……」

 フラフラと難波が近付いて来る。俺は場所を空けてやった。難波はディルドを抜いて、ごめんね、と梅田に囁くと、己を梅田に収めていった。

「あぁ……難波……っ、イイ……っ! 俺もずっと……お前にこうされたかった……」
「梅田君……凄くイイよ……っ!」

 なんだか二人が盛り上がり始めたから俺は黙って部屋を出てやった空気の読める男それが橘悦朗。

「イイ事したな今日も~」

 達成感に思わず出るガッツポーズ。今日も一つ寮の平和が守られたZE!



 これからもしばらく俺の世直し諸国漫遊の旅は続く。あ、あの入浴シーンのくのいち? そいつもオトコで一つ4649。





fxdのハナさんとコメでやりとりしているウチに誕生したキャラ、副寮長橘悦朗略してエロタン。ハナさん命名。
橘の性格・通う高校につきましては私立BL妄想学園高等部をご覧下さい。

ハナさんに捧ぐwwwwww下品でごめwwwwww



※冒頭参考→ヤマジュン御大作品
 【ニコニコ動画】くそみそテクニック フルボイス 完全版
 ぜひご覧くだちぃw




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※性描写若干アリです。18禁でお願いします。

 身体が、熱い。

 歩との行為は決して気持ち良いものではなかった。むしろ痛いばかりでやっぱり二度とウケはごめんだと思う。それでもきっと、歩に求められたらまた許してしまうだろうという、確信にも似た予感。

※性描写アリです。18禁でお願いします。

 歩が上体を折って、慎治の背に身体を添わせてきた。慎治のその背に甘えるようにゆっくりと頬ずりして、そしてそっと、息を吐いた。

※性描写アリです。18禁でお願いします。

「なんか……柔らかくなってきた」

 ココ、とその場所を知らせるために歩が指をぐい、と回す。素で投げかけられた言葉に、思わず顔が熱くなる。

※性描写アリです。18禁でお願いします。

 慎治が立ち上がり、クローゼットの奥からローションを取り出してほらよ、と歩に向かって投げる。歩は手の中に収まったローションをじっと見て、パチン、と蓋を開けた。そしてそれを逆さまにして、何の迷いも感じられない仕種で掌にじゅ、と絞り出した。

※性描写アリです。18禁でお願いします。

「……あんだよ? タオル取れねーだろ?」

 ちら、と背後の歩を眇め見る。

※性描写アリです。18禁でお願いします。

 混乱しているのか、歩が動かないのを良い事に背を撫で、髪を撫でてこめかみに唇を押し当てる。胸に抱き締めると、流れてくる歩の体温が愛しい。高ぶって荒くなっていた歩の呼吸が少しずつ落ち着いて行くのが分かる。少しでも、今まで抱えてきた心の重しを軽くしてやれればいい。今だけでも、自ら刻んできた心の傷を忘れさせてやれればいい。

 ――あ~……なんかヤバいな、俺……。

 訊きたい事がいくつかある。それに何か話す事で楽になれたら、とも思う。この間、店に居た理由――何を探していたのか、それは見つかったのか。そして今日、雨に濡れていた理由――何故泣いていたのか、何故あのスーツはもう二度と着る事がないのか。何から訊くか、答えてくれるだろうか。

 玄関のドアを開けると、青年を促して中へ入れ、ドアを閉めた。

「ちょっと待ってろ、タオル取ってくる」

 男同士で相合い傘も妙かと思い、結局青年を雨の中歩かせる事になってしまった。それでも黙って付いてきた彼は、玄関に少し立っているだけで足元に小さな水溜まりを作っていた。

 ――あれ、俺当初の目的忘れてっし。

 まいっか、と今日はコンビニ飯を覚悟して、再び雨の雑踏を歩き始めた、その視線の先に。普段なら何人もが腰を下ろすホテルの生け垣の縁に、雨の中一人座る――青年。 それは、先日売り場で慎治が声を掛けた高校生だった。
 少しの残務処理をして、慎治が従業員通用口を出たのは午後九時を過ぎた頃だった。閉店間際、BGMに『雨に唄えば』が流れていた。その音楽が知らせた通り、外は雨だった。慎治はロッカーに置いてあった傘を広げ、通りを歩きだした。

  平日、午後の百貨店。

 他のフロアに比べて普段から込み合うことはあまりない紳士服売り場は、この時間帯も客はまばらだ。
 
 某百貨店勤務、メンズフロア担当の巽慎治は、そんな閑散としたフロアを見渡しながら、手持ち無沙汰にさして乱れてもいないネクタイの陳列に手を伸ばし、格好だけの手直しをしてみたりしていた。


 そんな時間帯だったから。

 いやきっとそんな時間帯でなくても一際慎治の目を引いた男性客。

 男性客といっても百貨店の紳士服売り場には不似合いな、学生服。

 慎治の記憶に間違いなければそれはM大附属高校のものだ。

 名門高校の学生らしく、品の良い顔立ちをしているが、ベルトの位置を少し落としていたりする辺り所謂今時の高校生だ。

 少年と青年の境目を行ったりきたりしているらしいその少年は、大人びた表情の中に子供の不安さを覗かせて、確かに何かを探しているが、何を探せば良いのか分からないといった様子でぼんやり陳列棚を視線でなぞっていた。

「お前がいれば、野球なんかなくったっていい。お前のいない四年間、俺が……どんな思いでお前を探してたと思ってんだよ」

 水口が千景を抱き締めようとその力強い腕を伸ばした。

「何で? じゃあ、チカ兄は、あいつのこと好きなのに……? 好きなのに、あいつの側にいることをやめたの?」
「……そうだね」

 千景は、微笑ったまま、手の中で揺れる褐色の液体を見下ろした。

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