雨がやんだら（22）（R18）

　根元まで自身を埋め込むと程なく歩がゆるゆると動き出した。粘膜が擦れ合う度そこから官能が生まれる。動くとさすがに痛みがない訳ではない。それすら、気持ちのフィルターを通ると快感に変わるという事を今身を持って知った。体内の歩をもっと奥へと導き、逃すまいと、襞が絡み付く。

「慎治さん……っ、俺……慎治さんが……好きだから……」

　切羽詰まった声で投げ掛けてられた言葉。鼓膜を灼かれて見上げると、声と同じく切羽詰まった表情で慎治を見下ろす歩がいた。目が合う。それだけでかっと体温が上がるのを感じる。触れられてもいない慎治の猛りが呼応するかのようにどくん、と脈打った。もう駄目だ、抑えられない。

「ち……っきしょお前……っん、責任取れよ……っ、く……」

　ぞくぞくと、身体の芯から切なさが込み上げてくる。身体の末端にまで、甘い毒が回ったように指先まで痺れてくる。巧く呼吸が繋げずに浅い呼吸を繰り返し、何も考えられなくなる。

「……うん」

　歩が短い返事を返し、抽送を大きくした。慎治もその動きに応えて腰を揺らし、貪欲に快感を求めた。縋る物を求めて泳がせた手は歩の腕を掴み、指先を食い込ませる。歩の質量が大きさを増し、絶頂へ上り詰めようと激しく打ち付ける。ガクガクと揺られながら自らの雄を握ると、歩がその手の上から慎治を握り込んだ。

「っぁ、あ、歩っ、イく……っあ、っく……あぁっ！」

　ずん、と一突きされ大きくのけ反ったと同時に、慎治は欲望を吐き出した。身体中の筋肉が収縮し、歩を絞り上げる。呻き声と共に歩も慎治の中で、自身を解き放った。

「んっ、……っぁ、ふ……」

　中で歩がびく、と痙攣する度慎治も余韻に震え、根元から全てを吐き出した。目を閉じて少しずつ呼吸が戻るのを待つ。歩の腕に食い込ませていた指の力がようやく解けると、薄く痕の残ったそこを労るように撫でた。

「慎治さん……、大丈夫？」

　歩が少し不安そうに覗き込んでくる。その表情が可愛くて、また、ふと心ごと緩んだ。小さく頷いて、慎治は歩を引き寄せた。

「……スゲーよかったよ」

　目を細めて囁いて、歩に口付けた。


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