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雨がやんだら(11)(R18)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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※性描写若干アリです。18禁でお願いします。

 身体が、熱い。

 歩との行為は決して気持ち良いものではなかった。むしろ痛いばかりでやっぱり二度とウケはごめんだと思う。それでもきっと、歩に求められたらまた許してしまうだろうという、確信にも似た予感。

 ――まぁまたがあればの話なんだけど。

 慎治は口端だけを上げた自嘲的な笑みを浮かべ、自らの中心に手を伸ばした。

「……っ、……」

 熱い湯が慎治の熱を流してゆく。慎治の手の中に吐き出された白濁は、慎治の気持ちごと湯に混じって、流れていった。

 風呂場から出て幾分サッパリした慎治は、眠る歩に毛布をかけて、出勤までのあとわずかの時間を睡眠に宛てるべく、寝室のベッドに入って目を閉じた。



 朝八時。慎治は時計のアラームで目が覚めた。思ったより熟睡できたらしく頭はすっきりしているが、身体を起こすとまだ背後が痛んだ。

 スーツに着替えて寝室を出る。夕べの場所にはまだ歩が眠っていた。ふと顔が緩むのが自分でも分かる。側に腰を下ろして歩の髪をくしゃ、と撫でてそっと揺すった。

「……歩」

 呼ばれると、歩はすぐに薄目を開けた。目線だけで慎治を見上げる。

「俺仕事行くから。お前はも少し寝るなら寝てったらいーよ。鍵置いとくから出てく時ポストに入れてけな。服は……俺ので良ければそこに出してあるし、昨日のを着て帰るならそこに掛けてある。金が要るならこれ。一応貸すって言っとくけど、返さなくても全然いいから」

 寝起きでぼんやり目を開けているだけの歩に手短に必要事項だけを並べ、合鍵と一万円札を手渡した。歩が差し出されたものを無言で受け取ると、じゃな、と声をかけて慎治は部屋を出た。



 日曜の仕事はいつもの事だが程々に忙しく、休憩時間も短縮させて働く程だった。いつもは忌々しい土日だが、今日は忙しいのが返って有り難かった。じっとしてると背後の痛みから歩を思い出し、どうしているかもっと心配していた事だろう。歩が仕事場に顔を出すかとも思ったがそれもなく、家に帰ってみると郵便受けに合鍵が入っていた。本当にあのスーツは二度と着たくないのか、かけられたままになっている。渡した一万円札は、テーブルに置かれていた。

「『ありがとうございました』とかさ、書き置きの一つくらいねーのかよ」

 明るい口調で一人毒づいてみせる。

 ――まぁ、こんなモンっしょ。何かを期待してたワケでもねーし。

 わしゃわしゃ、と頭を掻き、苦笑する。まだ歩の余韻が残るこの部屋にいたくなくて、慎治は着替えもせずに再び部屋を出た。


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コメント
慎治サン!!
ど こ い く の
(公園のトイレは気をつけろ、つなぎの男がベンチから誘うゼ☆)

あーあーあーあーあーあー
もうっ!なにこのじれったさ!!
ベラさん、焦らしプレですか(わたしに)
次はあるのですか!ふたりは再び逢うのですか!
きーにーなーるー(*´Д`)

心が、熱い。(わたしの)
2007/11/16(金) 01:20 | URL | ハナ #ZJmJft5I[ 編集]
あ~しまったむしろ慎治をつなぎに着替えさせて
出かけさせるんだったwwwww
そして出てくる台詞は勿論
「や ら な い か」

やー私もなんか焦れてます
でも今ちょっと停滞中(ビコーズオブ副寮長)
次もある予定ですがまだまだそこまで
行き着けなさそうです…(バタ)
いかんいかん行き着けず行き倒れにならないよう
もうちょっとガンバりマッスル

糧をいつもあ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!ハナさん!
2007/11/16(金) 06:18 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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