「何で? じゃあ、チカ兄は、あいつのこと好きなのに……? 好きなのに、あいつの側にいることをやめたの?」
「……そうだね」
千景は、微笑ったまま、手の中で揺れる褐色の液体を見下ろした。
「……そうだね」
千景は、微笑ったまま、手の中で揺れる褐色の液体を見下ろした。
「好きなら! どうして逃げるんだよっ! あいつだって、まだチカ兄のこと、好きみたいだったじゃねーかよっ! お互い好き合ってるのに、どうしてっ!」
「もう、いいんだよ」
千景は、和大を見てまたにこ、と微笑んだ。
「終わった事だよ」
「そんな……」
「あーあ。カズちゃんにバレちゃったし、やっぱ引っ越しかな。近々そうなるだろうと思って、片付けてたんだ」
「チカに……」
まだ言い足りなくて叫ぼうとする和大をぐい、と引き寄せ、唇を掠め取るように、千景が口づけた。
「チカ兄……」
突然の千景の唇の感触に驚いて、和大が指で確かめるように自分の唇をおさえる。
「……カズちゃん、イイ男だね……。ごめんね、気持ち悪い……よね」
はは、と笑ってコーヒーを飲もうとする千景の手から、和大はマグを奪い取った。そして千景をぎゅ、と胸に抱き寄せる。
「カズちゃん……?」
「そんな、好き同志なのに、なんで……? 本当に、もういいなら、オレが……オレが……。チカ兄……」
「……カズちゃん……。……ごめん」
溜息とともにそう小さく呟いて、千景は和大の背中に腕を回した。
――どんどんっ。
扉を叩く音。はっとして千景は和大から身体を離した。
「千景っ! いるんだろっ! 開けろっ!」
聞こえてきたのは、昨日の男の声。
「……開いてるよ」
両手で髪をかき上げて千景が身構える。和大も身体を強張らせた。
扉が開いて、水口がその大きな姿を見せた。水口の顔も二人同様強張っていて、でもどこか腹を括ったような、迷いのない毅然とした目をしている。
「千景……さっき、監督に今シーズンでの引退を申し出てきた。もうお前の気になることは、何もないだろ?」
「たける……」
俯いていた千景が目を見開いて顔を上げた。一瞬、千景の顔に光が差す。小刻みに震える手を少し上げ、けれどもその手をぎゅっと握って顔を背ける。それと同時に千景に再び暗い影が落ちた。
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「もう、いいんだよ」
千景は、和大を見てまたにこ、と微笑んだ。
「終わった事だよ」
「そんな……」
「あーあ。カズちゃんにバレちゃったし、やっぱ引っ越しかな。近々そうなるだろうと思って、片付けてたんだ」
「チカに……」
まだ言い足りなくて叫ぼうとする和大をぐい、と引き寄せ、唇を掠め取るように、千景が口づけた。
「チカ兄……」
突然の千景の唇の感触に驚いて、和大が指で確かめるように自分の唇をおさえる。
「……カズちゃん、イイ男だね……。ごめんね、気持ち悪い……よね」
はは、と笑ってコーヒーを飲もうとする千景の手から、和大はマグを奪い取った。そして千景をぎゅ、と胸に抱き寄せる。
「カズちゃん……?」
「そんな、好き同志なのに、なんで……? 本当に、もういいなら、オレが……オレが……。チカ兄……」
「……カズちゃん……。……ごめん」
溜息とともにそう小さく呟いて、千景は和大の背中に腕を回した。
――どんどんっ。
扉を叩く音。はっとして千景は和大から身体を離した。
「千景っ! いるんだろっ! 開けろっ!」
聞こえてきたのは、昨日の男の声。
「……開いてるよ」
両手で髪をかき上げて千景が身構える。和大も身体を強張らせた。
扉が開いて、水口がその大きな姿を見せた。水口の顔も二人同様強張っていて、でもどこか腹を括ったような、迷いのない毅然とした目をしている。
「千景……さっき、監督に今シーズンでの引退を申し出てきた。もうお前の気になることは、何もないだろ?」
「たける……」
俯いていた千景が目を見開いて顔を上げた。一瞬、千景の顔に光が差す。小刻みに震える手を少し上げ、けれどもその手をぎゅっと握って顔を背ける。それと同時に千景に再び暗い影が落ちた。
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コメント
野球選手を邪な目で見てしまいそうです。
どうしたらいいでしょうか
これは一種の病でしょうか
それとも健康な証拠でしょうか
フフ、坊やにキッスしちゃってる…
にいさん、以外に小悪魔ne(´ー`)
しかしなんですこの切なさはぁ!!
けしからん!けしか…うぅぅ、
涙でディスプレイが滲むっ!!
どうしたらいいでしょうか
これは一種の病でしょうか
それとも健康な証拠でしょうか
フフ、坊やにキッスしちゃってる…
にいさん、以外に小悪魔ne(´ー`)
しかしなんですこの切なさはぁ!!
けしからん!けしか…うぅぅ、
涙でディスプレイが滲むっ!!
いやこの話はガタイ受けではないですがwwww
肉体萌えですぐワテシの頭に浮かぶのは
イアンソープと室伏某(ハンマー投げ)
全然接触の機会のない二人かとは思いますが
どなたかソープ×室伏でおながいします。
これは健康で幸せなな病です。
もっとみんな罹ればイイのにwwwww
顔が勝手ににやけるとても幸せな瞬間……(デヘ~~~)
あ、誰だ119に電話してるのはっ
芸術家と言えば節操のなさパトロン等のステレオタイプ
4年間のフラフラ生活
チカゲタンにもそんな人が居たりしたんじゃねーかと邪推wwww
全然切なくなくなる罠…wwwwww
みんなチカゲタンに騙されるなっ!
肉体萌えですぐワテシの頭に浮かぶのは
イアンソープと室伏某(ハンマー投げ)
全然接触の機会のない二人かとは思いますが
どなたかソープ×室伏でおながいします。
これは健康で幸せなな病です。
もっとみんな罹ればイイのにwwwww
顔が勝手ににやけるとても幸せな瞬間……(デヘ~~~)
あ、誰だ119に電話してるのはっ
芸術家と言えば節操のなさパトロン等のステレオタイプ
4年間のフラフラ生活
チカゲタンにもそんな人が居たりしたんじゃねーかと邪推wwww
全然切なくなくなる罠…wwwwww
みんなチカゲタンに騙されるなっ!
ガタイ受け・・・そんなコトバがあるのか・・・
つくづく奥が深い・・・
選手生命を賭けてこのゲージツカを愛してらっさるのですね・・・
つくづく奥が深い・・・
選手生命を賭けてこのゲージツカを愛してらっさるのですね・・・
2007/11/13(火) 01:38 | URL | 平和堂書店 #-[ 編集]
萌えはなんでもアリですよ~
平和堂サンも何か新しい萌えを
作ってらっしゃったじゃないですか☆
それでなくても短いプロ野球選手生命
そんなコトする人は絶対居ないと思いつつwwwwww
ファンタジーですから!wwwww
平和堂サンも何か新しい萌えを
作ってらっしゃったじゃないですか☆
それでなくても短いプロ野球選手生命
そんなコトする人は絶対居ないと思いつつwwwwww
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