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Sometime Butterfly(15)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 ビールを呷ることで上下する喉仏。

 よく陽に焼けた肌。

 こんな時間に寝癖なのか、少し跳ねた無造作な髪。

 無精を意図しているのか本当にただの無精なのか、まばらに生えた髭。

 でもこれでいて内面は、繊細なところがあることも、一緒に育ってきた七月は知っている。

 そのどれもが、強く七月を惹き付けてやまない。


 何故オンナたちは七斗を見限るのだろう。

「……なんだよ」

 知らず見とれるように見つめていた七月の視線に気づいた七斗が、七月に視線を返した。七月は笑みのまま、そっと彼から視線を外した。

「なんでお前が追い出されるんだろうなって」

 思ってただけだよ、と緩い笑みのまま手元に落とした視線の先、ビールのプルを引いて、七月もビールを口元へ運んだ。

「さーね。甲斐性ねぇからじゃね?」

 一体オンナたちは七斗に何を求めているのだろう。

 七斗が何の仕事をしているのか、あるいは何かしら仕事に就いているのかさえ、聞いたことがなかったが、確かに携帯の支払いも滞るほどの生活から察するに、無収入に近いか、または収入があったとしてもその他の遊興などに充ててしまうのかも知れない。

 ――俺なら、……。

 そんな七斗の全てを愛しく思うし、手放したくなんかないと思うだろうに。

 オンナたちは、贅沢だ。

 七斗に抱かれ、七斗に少なからず愛されたのに、自分の思う通りに行かないと分かると彼を見限るのか――。

 七斗のオンナになりたいなどと思ったことはないし、ましてオンナになりたいと思ったこともない。

 だけど。

 ずっと近くで共に成長し、今でもこうやって困ったときには頼って来られる存在なのに、自分は七斗に選ばれることはないのだと思うと、その歯がゆさにそのオンナたちが憎くさえ思えてくる。



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コメント
マジシャンにも。
そんな切ない気持ちが盛り沢山だったんですね~。
ちょっと気になってまたしても、聡×淳を読み返してしまいました…ヽ(;´Д`)ノ
結構強気だったり、独占欲を感じさせない人だったのは他にずっと思ってる弟がいたからなのかな?と勝手に納得してみたり(゜Д゜;)!!
でも内に秘めてる思いはなかなか複雑そうですね…続きが楽しみです!!
2009/07/17(金) 23:25 | URL | chihiron #-[ 編集]
あいー(*´∀`)
>chihironさん(*´∀`)

聡×淳を書いてた頃は七月の設定は
「ド本命がほんとはいるけどどうにも叶いそうにもないから
どーでも良くて遊んでる人」
くらいの設定でしかナカタんすアセアセ
一応聡淳のときの七月と矛盾はないかとは思いますが
あああああ読み直しとか!すいませんあざす(´Д⊂ヽ
矛盾とか疑問点とかナカタでしょかダイジョブでしょか
そんなノリで遊びまわってるんで
聡も「ちょっとは好きだったのに」とか七月に言われて
「あマジ? ごめん」(記憶曖昧)くらいの
軽い返事だった、みたいなイメージす

書いてて途中でこれじゃ幼馴染のノンケ×ガチとかでも
イけたかもなぁムリに双子にしてハードル上げなくても
とか何度も挫けそうになりますがorz
ひと波乱(?)というか七月をひとイジメして
なんとか最後まで書ききりたいと!思いますんで
引き続きのお付き合いよろすくおながいしますです!
2009/07/18(土) 08:52 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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