2ntブログ

Sometime Butterfly(23)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「……カラダ、汚れただろ?」
「や、いい……」
「そっか」

 我に返ったようにはっとして手荒に自らを拭う七斗を横目に見ながら、七月は脱がされ床に落ちたままだった下衣を拾い上げ、再び身に着けた。カフェオレ色の短い髪を一度手櫛で梳いて、一つ、小さく深呼吸した。

「――仕事場、行ってくるね。明日には合い鍵渡せると思うけど、もし俺が帰るまでに出かけるなら、……鍵掛けないで出て行ってくれてもいいよ」
「……ああ」

 分かった、と小声で答える七斗にじゃあね、と声を残し、七月は彼に背を向けた。

 さすがに、今夜一晩同じ屋根の下では過ごせないと思った。

 七斗から七月を引き止める言葉は、もうなかった。










 夜半過ぎのオフィス。管理部門と営業の島に灯る明かりは常夜灯のみで薄暗い。

 一見無人にも見えるそのフロアの隅で、一台のデスクトップパソコンのディスプレイが煌々と灯っている。その明かりに照らされながら、よれたワイシャツ姿の男が一人、デスクに突っ伏して居眠りをしていた。

 七月はその男の傍らに立ち、途中コンビニで買ってきた、冷えたビールの缶を彼の頬にあてがった。

「ん……あー……、あー七月」

 のそりと身体を起こした男が、自らを照らすディスプレイの光に眩しそうに目を眇め、寝起き顔で七月を見る。

 七月がグラフィックデザイナーとして働くこの広告代理店で、同じくコピーライターとして働くこの男は、名を望木(もぎ)といった。

 望木がワイシャツの袖を捲った腕を上げ、七月の手から礼も言わずに缶ビールを受け取った。

「締め切り直前に居眠りなんて、余裕だね」

 そんな望木の態度も気にした様子もなく、七月は穏やかに笑んだままもう一本、自分用のビールを携えていたコンビニの袋から出した。



←22へ / →24へ
←1から読む 


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
↑ランキング参加中す。よければポチっと押してクダサイ
書く意欲に繋がってます(*´∀`)




コメント
秘密拍手コメレスでし(*´∀`)あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!ございマス!
>秘密拍手コメo-iさん(*´∀`)

わっバレたw会社に住んでる人wwwwww
望木はほんとに会社に寝泊り結構してるかもすねwwww
そして言わずもがな(?)七月のせふれでし\(^o^)/
起こしたのは締め切りを守らせるためでなくwwwwwww
うぉ、o-iさんもそんな忙しい会社生活を送ってらしたんすか!
望木や七月は自由業系(?)なんで
出社時刻とかが甘いんで朝はキッチリ9時出社とかはしてないと思いますw
ただ締め切りが重なるとこうなる、みたいなw
(すべてイメージでお伝えしておりますw)
実はいまだに迷ってますw
望木とヤるか寸止めするか……腐腐腐……
どっちがイイすかアッ――!
コメあざした!

2009/07/25(土) 22:37 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 

 | Copyright © がっつりBL的。 All rights reserved. | 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ