「綺麗な身体ですから、傷は付けませんよ。この手錠も痛くないでしょう? 柔らかい革ですからどんなに暴れても、肌に怪我を負うことはありませんよ」
安心して下さい、と笑みを浮かべながら、深井が再びスーツケースに戻り、そこからスチール製らしき黒い棒をカシャリと音を立てて手に取る。長さ五十センチ程のその両端にはまた、手首に嵌められたリストバンドと似た作りの拘束具が付いていた。
安心して下さい、と笑みを浮かべながら、深井が再びスーツケースに戻り、そこからスチール製らしき黒い棒をカシャリと音を立てて手に取る。長さ五十センチ程のその両端にはまた、手首に嵌められたリストバンドと似た作りの拘束具が付いていた。
次は足ですよ、と足首を取られ、片方ずつ枷が嵌められる。すると棒の長さの加減上、足を閉じることができなくなった。
「……、っ」
緊張で身体が強張り、怒りで呼吸が荒くなる。それを知られまいと、慎治は奥歯を噛み締めた。
「さすがに緊張していますか。大丈夫ですよ、すぐに悦くしてあげますから」
何もかもを見透かしたような深井の言動に、悔しさが煽られる。何も考えるなと、己に言い聞かせ、慎治は天井の一点を見つめた。
「いい眺めですね」
じっと一点を見据える慎治を愛でるように、深井が人差し指を慎治の腰骨に置いた。
「けれどもこれだけでは少しもの足りませんね」
「……、……っ」
指先が、腰骨を辿って臍へと伝う。そこから中心へと指先が下りてくる。そのおぞましさに、ぞくりと肌が粟立つ。
「せっかく君を好きにできるまたとない機会なんですから、もっと僕を愉しませてくれないと。乱れてもらいますよ、いやらしく」
中心まで下りた指先は茂みを撫で、何の性的興奮の兆しもないままそこに佇む慎治の雄をなぞった。
「アンタ相手になんか、勃つモンも勃たねぇっつの」
「そうですか。少し残念ですけど想定の範囲内ですよ。まだ手はありますから。……経口と非経口、どっちがご希望ですか」
何でもないことのようにさらりと訊いて、深井は再びスーツケースの元へと戻った。
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「せっかく君を好きにできるまたとない機会なんですから、もっと僕を愉しませてくれないと。乱れてもらいますよ、いやらしく」
中心まで下りた指先は茂みを撫で、何の性的興奮の兆しもないままそこに佇む慎治の雄をなぞった。
「アンタ相手になんか、勃つモンも勃たねぇっつの」
「そうですか。少し残念ですけど想定の範囲内ですよ。まだ手はありますから。……経口と非経口、どっちがご希望ですか」
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