2ntブログ

Sister Moon(16)(R15)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 ――ヤバい。

 動じまいと余裕を演じたのが裏目に出たのだろうか。否、これだけ綿密に用意されていた計画だ。おそらくどんな態度に出ても、結局深井が予定していたことは全て遂行するに違いない。

 ならばせめて心だけは、最後まで守り通そう。それだけを心に、意を決した。

「――経口で。……疑わなくてもちゃんと飲んでやるから」

 何らかの薬物が投与されるなら、血液に直接送り込まれるよりは効き目は緩やかだろう。中毒性のないものだといいが。

 これも今まで己が為してきた業の深さか。

 小さく唇を噛んで、その時を待った。

「さすがに何もかも心得てますね。せっかくですから、君も楽しんで下さい」

 深井が、何も手にせず慎治の元に戻ってきた。

 深井の手が、伸びて来る。

「んっ、……っ」

 片手で頤(おとがい)を掴まれ、口をこじ開けられた。

 逃げられない。

 巧く誤魔化せるなら、飲んだ振りをして逃げるつもりだった。

 全てが見透かされている。

 深井相手に、嘘や誤魔化しは通用しない、と感じるのは悟りなのか諦めなのか。

 深井の顔が近づき、唇が重なる。

 嫌悪感に、ぞわりと肌が立ち、吐き気がこみ上げる。

 歯列を割って、深井の舌先に乗せられて錠剤が送り込まれる。口内を弄(まさぐ)るように舌先が這い、舌の下に錠剤が忍ばされた。

 唾液に溶かされ、それがだんだん小さくなってゆくのが分かる。せめて舌の粘膜から吸収される分だけに留めて、飲み込まずに済ませることができればと、喉の奥を締めた。




←15へ / 17へ→
←1から読む
歩×慎治


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
↑ランキング参加中す。よければクリック入魂一押ししてください。
 書く意欲に繋がってます(*´∀`)
携帯からはポイント反映されないことがあるようです(090907現在)
ぜひパソからの一押しお待ちしてます(*´∀`)



書ける日でさえ不定期更新にしたい誘惑に負けそうす(;´Д`)
もうちょとだけがんがりますw



コメント
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 

 | Copyright © がっつりBL的。 All rights reserved. | 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ