愛の夢　第一〇〇三番（11）（Ｒ18）

「っ、……、ん」

　まだ綻ぶ前のそこは、俺の指を受け入れた途端きゅっと閉ざして俺の指を締め付ける。それを少し強引に回して、俺の指に絡み付く襞を少しずつ伸ばしてゆく。

「慎治さん」
「ん……、……」

　慎治さんに甘えるように背に頬をすり寄せ、唇を押し当てる。

　　――ねぇ慎治さん。

　慎治さんを初めて抱いてから、もう十年以上の月日が経ったけど。

　ときどき思い返す。

　初めて慎治さんを抱いた日のこと。

　俺はスゲェガキで、やり方さえちゃんと分かってなかった。きっとめちゃくちゃだっただろうに、慎治さんは何も言わずに抱かれてくれた。ウケはやってないって言ってたのに。きっと全然悦くなかっただろう。

　俺と慎治さんが出逢ったときにはもう、慎治さんは、大人だった。

　今俺は、あの頃の慎治さんより年上になった。

　俺も、ちゃんと大人になれてるかな。

　慎治さんの抱き方、少しは上手くなったかな。

　問いかけるようにぐっと指を進めると、慎治さんがびくりと身体を震わせた。

「あ、ゆむ……」

　切羽詰った慎治さんの声。俺を、奮わせる甘い掠れ声。

「――うん」

　頬を擦りつけたまま小さく頷きを返す。ちゅ、と小さな音を立てて肩を吸い上げると、また慎治さんの肌がざわついた。

「……も、いだろ、挿れても」

　慎治さんが、後ろ手で握っていた俺の猛りを少し強く扱いた。それに応えるように少し腰を揺すると、慎治さんから吐息が零れた。

「――うん」

　また小さく頷きを返して、慎治さんからそっと、指を引き抜いた。



←10へ　/　→12へ
←１から読む

歩×慎治



にほんブログ村
↑ランキング参加中す。よければクリック入魂一押ししてください。
　書く意欲に繋がってます(*´∀｀)
携帯からはポイント反映されないことがあるようです（090907現在）
ぜひパソからの一押しお待ちしてます(*´∀｀)



たくさんのご支援コメあざしたつД｀)･ﾟ･｡･ﾟﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟ
ちょと間隔短くできた思いますがどですかーっ！
またがんがります(*´ω｀*)