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好きすきスキと言わせたい(12)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 確かにきっかけは佐伯の言葉だったかもしれない。けれどもそれを真に受けてつまらない行動に移して暴走し、勝手にヘコんでいるのは怜史だ。

 榛名に直接確かめる事もしないまま、榛名からの言葉を待とうとした。付き合ってからは浮気する暇も与えない勢いで榛名の部屋に押しかけ、あるいは自分の部屋に来るよう誘っていたから浮気もないはずだ。むしろ浮気があるとすれば連絡を絶ったこの三日間の方が危険度が高い。

 ――しまった。

 やっぱりこんなのは俺のやり方じゃなかった、と怜史は舌打ちした。榛名に会いに行かなければ。



 撮影はその後スタジオに移り、終わったのは結局夜九時を過ぎていた。怜史の不機嫌は治ったものの、今度は落ち着かずにソワソワしてまた注意された。それに加えて佐伯も急にやる気をなくしたように不機嫌になり、そんなこんなで撮影が押してしまった。

 終わると挨拶もそこそこに、怜史はタクシーに飛び乗った。車中、今から行く、と榛名にメールした。

 榛名の部屋の前に着いたのは十時過ぎだった。玄関ドア横の明かり取りから漏れてくる光はなく、チャイムを押すまでもなく部屋が留守なのが分かる。怜史は呆然とドアの前に立ちすくんだ。

 ――どうしよう。

 焦りから、睨み付けたドアの一点を起点に視界がぐるぐる回り出す。そういえば榛名からメールの返信が来ていない。

 ――俺が三日放置したから……? 浮気? たった三日で? ……いや落ち着け俺。

 また暴走しそうになる己をなんとか己で諫めた。ニ、三度深呼吸をしてみる。

 とりあえず、待とう。

 そう決めて、怜史は玄関ドアに凭れ目を閉じた。

 三十分もしないうちに、ガツガツと、階段を駆け上がって来る音がした。目を開けて靴音のする方を見る。

「怜史……」

 肩で息をした榛名が怜史を見つけて少し遠くで立ち止まった。三日間音沙汰なかった恋人にどんな表情を向ければ良いのかを計りかねているらしい。ぎこちない微笑を浮かべてゆっくりと怜史に近付いてくる。

「榛名さん……」

 ずん、と怜史の胸が撃ち抜かれる。痛い。どうしてこの人を三日間も放置できたんだろう。今日はカラコンをしていないらしい、漆黒の瞳を見つめてツン、と鼻の奥が痛くなる。

「寄ってく……だろ? 今鍵開けるから」

 榛名がどこか緊張した仕種で鍵を開け、怜史を中へと促した。

 二人で中に入り、榛名がドアの鍵をかけたところで、怜史がその手首を掴んだ。

「どこ行ってたの?」

 ――仕事だったと、どうか答えて。

 榛名をじっと見る。榛名が怜史を見つめ返し、黒い双眸を揺らした。

「……言いたくない」

 一言答えて、榛名は目を逸らせた。



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コメント
どっどどどどどd
どこ行ってたのーーー(;´Д`)ノシ
ソワソワする姿はワンコの特権すね
ソワソワしてワフワフしてハァハァして(*´Д`)
榛名タン、走ってきたんかなぁ(;゚∀゚)ハァハァ

スレ違う男たちに乙女のハートはバースト
答えたくない榛名タンに動悸がしてきますハァハァ
なにこのウケ萌えktkr!!!!
心の琴線ピンポイントでぐりぐりさ…れ…っ
2008/01/06(日) 00:35 | URL | ハナ #ZJmJft5I[ 編集]
どどうどどどうどどどう
榛名の行ってたところは…
ベタで大体の予想はつくかと思いますが
今回は一応今後のオタノシミにしておきまふwwwww

榛名、走ってきました!
エレベータあるのに階段で上がってきました!
榛名の部屋、5階です!(今決めたwwwww)

そろそろまたエロが描きたすwwww
次回…次々回くらいからは!

ハナさんの(;゚∀゚)ハァハァウレシスv
また次ガンガれますあ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!
2008/01/06(日) 10:34 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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