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つきはきんいろ。1/4(R18)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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※若干の性描写アリです。18禁でお願いします。

 仕事を終えて部屋に戻った玲(あきら)は、疲れた身体をどさっとソファに投げ出し、乱暴な手つきでネクタイを緩めた。

「今日はどうやって追い返そうか……」

 このあともう一仕事ある、と思うと、疲れが更に増す。

 原因は、同じ部署の後輩の佐紀健一郎。ここのところ、毎晩奴が玲の部屋を訪れてくるのだ。

 玲が住む会社の独身寮は、寮とは言うもののマンションタイプで狭いながらも一人一戸が与えられ、プライバシーは意外に守られている。それをどうやって気配を察知しているのか、玲が戻ると程なく玄関のチャイムが鳴らされる。

 ただの後輩なら、いい。人といるのは嫌いじゃないし、酒を飲む相手がいる、というのはいいものである。だが奴は、この部屋に来る度、玲に「好きだ」と言うのだ。


 地域的に難しい場所を担当する健一郎は、伸び悩む営業成績について上司に何度も注意され、落ち込んでいるようだった。見かねた玲が、ちょっと元気付けてやるか、とある晩彼を飲みに誘ったのが最初だった。



「ほら、着いたぞ」

 玲は泥酔した様子の健一郎を何とか連れ帰り、勝手にポケットから鍵を探って健一郎の部屋のドアを開けた。

「ん? あー……はい」

 玲に肩を組んで支えられ、覚束ない足取りで部屋に入る。

「大丈夫? 後は自分で……」

 組んだ肩をそっとを外して部屋を出ようとした途端、健一郎がそれまでの様子からは考えられないような力強さで玲を引き寄せ後ろから抱きしめた。

「山根さん……、好きです。入社した時からずっと……」

 背後から回された健一郎の腕は、普段会社で見せているどちらかというと少しくたびれたような雰囲気からは程遠い、筋肉質な男のものだった。背中に健一郎の熱を感じて玲の頬はかっと熱を持つ。慌てて玲は肘鉄を健一郎の鳩尾に食らわせた。

「よっ……酔っ払うのもいい加減にしろっ」

 うずくまる健一郎にそう言い捨て、玲は自分の部屋へと逃げるように帰っていった。


 ――ばたん。

 部屋に戻ると玲はドアを背にずるずる、と座り込んだ。再び込み上げてくる健一郎の腕と体温の感触に玲の身体が反応して熱を持つ。玲はズボンのファスナーを下ろしてその熱源に触れた。

「……っ……は……」

 軽く握るだけで先端から蜜が溢れ出てくる。蜜は握る掌に伝い、くちゅ、といやらしい水音を立てた。

「んっ……け……んいちろ……ぁっ」

 少しの自己嫌悪といつまでも収まらない熱で、その夜玲は悶々と眠れない時間を過ごした。


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コメント
え~~ケンちゃん、酔ったふり~~?!
んも~~、古今東西、オトしたい相手をオトすワザっちゃあ、同じなんだからあ。

て、私はないぞ、多分。
「大丈夫?送ろうか?」なんて・・・誰にも言ってもらえなかった。
私より飲める男は滅多にいなかったので、いつも飲み勝ってしまっていたのだ。
「いけるか、あんた。送ってったろか!?」
それ、女の台詞か?!
2007/11/09(金) 20:07 | URL | 平和堂書店 #-[ 編集]
古今東西、
「落としたい相手を落とす方法~!」
酔ったフリ!
寝たフリ!
嘘泣き!
…酷いですよね、そう考えると…wwww

おお、平和堂さん、酒豪ですか!
私は…カラオケボックスで飲みすぎると
大概悪酔い☆
多分置いてる酒が劣悪なんでしょうねwwww
2007/11/10(土) 05:00 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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