「何? ちゃんと最後まで、言ってよ。先生」
「直登とは、その、きちんと、付き合っていきたいと思ってる……。俺、直登のこと……」
長い沈黙。直登は黙って要の髪に付いた紙吹雪の名残を一つ一つ取り除きながら、後に続く言葉をじっと待った。室内灯の電気の通る音までが耳に届いてくる。
「直登とは、その、きちんと、付き合っていきたいと思ってる……。俺、直登のこと……」
長い沈黙。直登は黙って要の髪に付いた紙吹雪の名残を一つ一つ取り除きながら、後に続く言葉をじっと待った。室内灯の電気の通る音までが耳に届いてくる。
「好き……だ」
静寂を打ち破ったのは消え入りそうな声。要は顔を紅く染めて下を向いた。
「せんせ…………」
思いがけず聞く事ができた告白の言葉。たった一言なのに胸が一杯になる。その気持ちのままに、直登は要を夢中でぎゅうっと抱きしめた。薄朱色に染まった要の耳を、優しく噛んでみる。すると要はびく、と体を固くする。
「や……、直登……」
苦しそうに要は小さく身悶えた。
「せんせ……。もう俺、先生の彼氏だよね? 俺達、付き合ってるよね?」
要は小さく何度も頷いた。
「直登……、怒らせるような事して……ホントごめん……」
要はもう一度、謝って直登の肩に顔を埋めた。
「先生、今朝から謝ってばっかだね。俺こそ、ごめんなさい。泣かせるつもりなんて、なかったのに」
ごめんね、と耳元で囁いて直登はまた要の耳朶にキスをする。するとまた要はびく、と体を強張らせた。
腕の中にずっと好きだった人がいる。それだけでも身体が熱くなる。好きだ、と言ってもらえたら尚更……。
「……ねえ先生、……して、いい?」
少しずつ昂ぶってくる欲求。その欲求に正直に、要の耳元で直登が訊く。
要はさらに体を固くする。
「嫌だ……」
「へ?」
この状況で断られるとは思いもしなかった直登は思わず裏返った声を上げた。
「い、嫌なの?」
「……うん」
「どうして……?」
直登は要の両腕を掴み要を覗き込んだ。けれども要は唇を尖らせて直登と目を合わせようとはせずに、頬を赤らめたままそっぽを向く。
「こ、心の準備が……」
「……心の準備?」
要がコクリと頷く。
――準備が整うにはあとどれくらいかかるのだろう。それとも言い逃れ?
真意を確かめるように改めて要を覗き込む。頬を染めて少し震えるその様子は、もしかしたらエッチの経験がないんじゃないかと思わせるくらいだ。
5へ→
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「せんせ…………」
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「や……、直登……」
苦しそうに要は小さく身悶えた。
「せんせ……。もう俺、先生の彼氏だよね? 俺達、付き合ってるよね?」
要は小さく何度も頷いた。
「直登……、怒らせるような事して……ホントごめん……」
要はもう一度、謝って直登の肩に顔を埋めた。
「先生、今朝から謝ってばっかだね。俺こそ、ごめんなさい。泣かせるつもりなんて、なかったのに」
ごめんね、と耳元で囁いて直登はまた要の耳朶にキスをする。するとまた要はびく、と体を強張らせた。
腕の中にずっと好きだった人がいる。それだけでも身体が熱くなる。好きだ、と言ってもらえたら尚更……。
「……ねえ先生、……して、いい?」
少しずつ昂ぶってくる欲求。その欲求に正直に、要の耳元で直登が訊く。
要はさらに体を固くする。
「嫌だ……」
「へ?」
この状況で断られるとは思いもしなかった直登は思わず裏返った声を上げた。
「い、嫌なの?」
「……うん」
「どうして……?」
直登は要の両腕を掴み要を覗き込んだ。けれども要は唇を尖らせて直登と目を合わせようとはせずに、頬を赤らめたままそっぽを向く。
「こ、心の準備が……」
「……心の準備?」
要がコクリと頷く。
――準備が整うにはあとどれくらいかかるのだろう。それとも言い逃れ?
真意を確かめるように改めて要を覗き込む。頬を染めて少し震えるその様子は、もしかしたらエッチの経験がないんじゃないかと思わせるくらいだ。
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