福音、ふたりが幸せであるために（19）（R18)

　律動を共にし、体温を分け合う。慎治を締め上げ、圧し包み、蠢く襞は慎治を奥へと誘う。

　慎治を抱き締め、キスをする。慎治と繋がる歓びを、全身で伝える。

「んな色気振りまかれて、じっとなんてしてられ、っかよ、っ」
「んっ、っ」

　慎治の腕に縫い止められ、動きを封じられた。同時に慎治に大きく、突き上げられる。かと思えば浅くまで引いて、悦い場所を掠めて、また奥まで穿たれる。

「ぁ、ぁっ、慎治さ、っ」

　過ぎる快感に、呼吸ができなくなる。浅い呼吸に全身を震わせると、いつの間にか食いしばっていた唇に、慎治の指先を感じた。

「歩、息吐け」
「ん、っ、は、ぁっ、は、ん……」

　慣れない行為に、知らず身体が強張っていたのだろうか。

　慎治の指先を口に含めると、足りなかった空気が全身を満たし、いつの間にか痺れていた指先にまで熱が届いた。少し強張りが解けたところを見計らったように口内から指が引き抜かれまた、突き上げられる。

「んっ、慎治さん、もっと、ぁっ」

　言葉でも慎治を誘うと、慎治が歩を抱き締めたまま身体を起こした。二人向かい合い、慎治に脇下から抱きすくめられ、突き上げられた。

「ぁ、っ」
「俺だって歩」
「んっ、っ、ぁ……」
「お前さえいれば、それでいい……」
「んっ、うん、分かってる……」

　愛してる、と吐息に乗せて慎治が囁く。

　何度かけられても、そのたび心がゆったりと広がる、魔法のような言葉。

　深く交わり、一つになる。

　慎治の背骨を辿り、指を立てた。口元にあった慎治の耳朶を、無意識に口に含める。口内にある慎治を確かめるように舌を這わせ、そして歯を立てた。



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歩×慎治


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