2ntブログ

2009年03月

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 ――キスくらい。

 大した事じゃない。実際淳汰も過去他の男と付き合っている時、聡士と何度もキスをした。キスだけじゃない。それ以上の裸の付き合いもあった。淳汰はそれを浮気だとは微塵も思わなかったし、聡士も恐らく何の後ろめたさも感じていなかっただろう。

 つまり、そういう事だ。

「どした淳汰、疲れてんの?」

 聡士が淳汰の横に膝を折ってしゃがみ、淳汰を覗き込んだ。

「いや……」

 ――何か言えよ聡士。

「飯は?」
「食ってねぇ」
「あ? マジ? 何か食い行く?」
「いや、いい」

 食欲がないわけではないと思うが、空腹感がなかった。それを食欲がないと言うのか、と自ら思い至って淳汰は苦笑した。

 気付いたら、淳汰は自室の壁にもたれて座っていた。二人のキスを見たあのあと、どうやって残りの仕事をこなしたのか、どうやってここまで帰ってきたのか記憶にない。

 部屋は明るく、電灯が点いていたが、そのスイッチを入れた記憶も曖昧だ。

Before  | Copyright © がっつりBL的。 All rights reserved. | 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ