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すべては愛のためだろ?(15)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「どした淳汰、疲れてんの?」

 聡士が淳汰の横に膝を折ってしゃがみ、淳汰を覗き込んだ。

「いや……」

 ――何か言えよ聡士。

「飯は?」
「食ってねぇ」
「あ? マジ? 何か食い行く?」
「いや、いい」

 食欲がないわけではないと思うが、空腹感がなかった。それを食欲がないと言うのか、と自ら思い至って淳汰は苦笑した。

「淳汰」

 覗き込む聡士が淳汰のうなじに手を伸ばし、淳汰を引き寄せた。そっと、唇が重なる。ただ重なるだけのキス。聡士の唇の熱がじんわりと淳汰に届く。

 ――この熱を。七月も味わったのか。

 そう思うとどこかいたたまれない気持ちになる。ゆっくりと聡士の唇が離れると、淳汰は唇を手の甲で拭った。

 聡士はじっと、それを見ていた。

「――今日、七月に話した」

 少しの沈黙のあと、聡士が口を開いた。

「ああ……なんて?」

 淳汰が見たあの時の事を言っているのだろう。キスをしていた、言い訳はあるのか。淳汰は聡士をじっと見返した。

「淳汰は俺のだから手ぇ出さねーでね、って。言った」

 ――ああそれで。

 あのキスの意味は。

 ――俺に手を出さねぇ代わりに聡士がその肩代わりするって事か。その前約束ってワケかよ。

「じゃあ俺は安心して明日から集荷に行けるワケだ」

 淳汰はそりゃ良かった、と自棄のような自嘲のような気怠い笑みを浮かべた。




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聡士×淳汰





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コメント
あぁあぁ
淳じゅん、やさぐれモード入っちゃってますね(苦笑)
聡士どうするんだろ?
淳じゅんが話さなきゃちゅ~見られたことも分かんないっすもんね(´∀`;)
うは~~続き気になります!!
2009/03/02(月) 00:23 | URL | 柚子季杏 #-[ 編集]
ああああああああアッ――!
>柚子季てんてぃ(*´∀`)
レス遅くなりましたすすすすすいません~っ(;´Д`)
あいー淳じゅんガッツリ誤解モードな上に
自分の気持ちまで勘違いしてるすw
ここから聡士にがんがらせたい…んすけど
ああああなんかまたああああダメだ違うおい聡士そうじゃないやろちゃんと予定通り動けよあわわわ
ってなり始めて(私がw)
今ぱったり絶賛筆止まり中す\(^o^)/オワタ
明日の夜までにはなんとか

繋ぎたいです~(;´Д`)
2009/03/03(火) 01:44 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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