2ntブログ

誰もがきっと、誰かの。(101)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「けど次生と話した時も、生はやっぱ初めて話した時と同じように俺に接したから、あー俺って印象ねぇかな、とか、魅力ねぇのかな、とか、だんだん自分に自信、つか、そんなの元々そうあったわけじゃねんだけど、そういうのがなくなってきた、つか。要するにイジけちまってたんだよ」

 苦く笑う貴史の表情が、けれども今となってはそれを懐かしんでいるかのようにも見えた。

 今は記憶だけじゃない、気持ちも貴史の元にある。

 それを伝えたくて、腕を撫でる貴史の手に、自らの片手をそっと重ねた。

 生の二の腕の上で重なった二人の手をじっと見下ろし、骨ばった貴史の指をそっと撫でた。すると不意に、その手を握られた。少し驚いて顔を上げると、貴史の穏やかな笑みが目に映る。

 胸が鷲掴みにされたように、ぎゅ、と締め付けられる。

「――だからここで生を見つけた時、運命かもって。今しかねぇだろ、って思ったから、前から知ってたって言わないまま声かけたんだ。……初対面だと、生に思わせたまま」

 ――運命。

 暗闇に誘われるように入ったこの場所でふたり出逢えたことを運命のように感じていたのは生だけじゃなかった。貴史もまた、生と同じことを感じていた。

 これこそが運命なのだと感じる。

「んで、生の話聞いたら、生、落ち込んでて、いつもあんな一生懸命やってんのにうまく行かねぇことあんだな、って思ったから、生なら絶対うまく行くときが来るよ、って今まで生から励まされてきた分、生のこと励ましたかったし、それに」

 握り合った手。

 引き寄せられ、遠慮がちに抱き締められた。

 触れ合った所から痺れるように、切なさが込み上げる。そっと貴史の身体に身を預けると、貴史はやっとほっとしたように息を吐き、生を抱き締める腕に力を込めた。


←100へ / →102へ
←1から読む


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
↑ランキング参加中す。よければクリック入魂一押ししてください。
 書く意欲に繋がってます(*´∀`)
携帯からはポイント反映されないことがあるようです(090907現在)
ぜひパソからの一押しお待ちしてます(*´∀`)



コメント
秘密拍手コメレスでし(*´∀`)あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!デス!
>秘密拍手コメYさん(*´∀`)

毎夜のお越しまりがとんございます(*´∀`)
ヘンなコメ、ご覧になりましたですか、
よくあるスパムコメでごじゃいやすw
コメが入ると携帯に連絡が入るので
その内容がスパムだとサクっと削除してますw
ので削除したのは私でし(*´∀`)
ご心配まりがとんございます
もし削除できてないものがあっても
そこから貼ってあるURLには飛ばないようにしてくだたいね
ワンクリック詐欺とかのサイトになったりもありますんで

引き続きグダグダと告白しあってやっと今夜チッスいたしますw
最後はアマアマで終わらせたいと想いますんで
最後までのお付き合い何卒!
よろすくおながいいたします!
コメまりがとんございますたー(*´∀`)
2010/01/10(日) 16:17 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 

 | Copyright © がっつりBL的。 All rights reserved. | 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ