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Sister Moon(5)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 少しずつ客も入りはじめ、マスターを交えて馴染みになった他の客と他愛もない会話を楽しむ。

 この店で深酒になったことは一度もない。

 慎治の自制もあったはあったが、おそらくマスターの配慮もあったのだろう。心が少し解れたと感じる頃、帰りがたさと迫る時刻のジレンマに慎治が苛まされるほんの少し前に、彼によって家に帰るよううまく導かれた。

それはいつも、丁度日付けの変わるまでには家に帰ることができる時間帯だった。

 不特定を相手とする、一夜限りの危険な関係を持つことも、ここに通うようになってからはなくなっていた。

 今夜もそうやって、ほんの少しの間の安らぎを求め、それが次ここへ来るまで持ちこたえる程度に満たされれば、家に帰るつもりだった。

 少しのアルコールが、それを優しく助けてくれていた。

「――今日の英訳3の講義はどうしたんですか」

 賑わいだした店内、不意に背後から耳打ちのように話し掛けられ、慎治は眉を寄せ、睨むようにその声の方へと振り返った。

「巽慎治。N高二年」

 そこには見覚えのある顔が、したり顔で慎治を待ち構えていた。

 慎治が籍を置く予備校の数学講師だった。慎治も以前、彼の講義を取っていたことがある。名を深井というその男は、慎治と目が合うと、爬虫類ように粘着質な目をすっと細めて笑った。

 名前を知られていたことに、心中舌打ちをする。

 身体が堅くなってしまうのさえ悔しい。

 怯えなど何もない。

「……、なんですか」

 少し顎を上げて。慎治は挑むように声を返した。



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歩×慎治



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コメント
慎治サンの高校時代~www
高校生大好きなのでとてもドキドキしています。

ベラさんのBL小説読むようになって、刺激されまして、私もブログはじめて恥ずかしながら拙い文章でBL小説書き始めちゃいましたー////ダンナにはナイショだけれど、新しいこと始めるってドキドキたのしーです!これもベラさんのおかげです!!
2010/02/21(日) 02:28 | URL | mido. #-[ 編集]
こんなカンジに終始いたしますorz
>mido.さん(*´∀`)

反抗期風の慎治、いかがでしょかw
なんかちょとイタタスじゃないかとドキムネでし(;´Д`)
こんな調子で最後まで色々イタタスでイってしまう予定でしorz
ぜひにお付き合いいただけますようよろしくお願いしたく…orz

おおお!マジですか!萌えが滾るとものすごいテンション上がるすよね
ぜひがんがってくだたいです~(*´∀`)
まりがとんございますた!
2010/02/22(月) 00:58 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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