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Sister Moon(7)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「そうぉ? 慎治はアタシのお気に入りなんだから、オイタしちゃダメよぉ」
「しませんよ、勿論」

 マスターは冗談めかして眉を上げて見せたが、その目は鋭く光り、厄介やもめごとを持ち込むなと深井に警告している。

 マスターが刺した釘にも、深井はどこか鷹揚な態度で頷いた。

 マスターはまだ不審そうな目で深井と慎治を見比べるように交互に見やり、まぁいいわ、と小さくため息を吐いた。ちょうどその時他の客から注文が入り、彼は少しヒステリックにはぁいっ、と返事をした。けれども彼は去り際に、ぽん、と慎治の肩を叩いて行った。

 見ていてあげるけど、気をつけなさいと、肩に乗った重みが慎治に言っていた。

 マスターの背中を見送り、彼が他の客たちと話をし始めたのを見届けて、深井が再び口をひらいた。

「――予備校をサボって、こんなところに来てるんですか」
「……誰にも迷惑かけてねぇよ」

 低い声で返す。

 実際慎治の成績は、予備校を一度や二度休んだくらいで何らかの影響が出るようなものではなかった。そもそも予備校など必要ないほどに優秀な慎治が、それでも予備校に籍を置くのは、予備校を隠れ蓑にこうやって夜の自由を得るためと、金を出すことで安心を得ようとする父の安心を守ってやるためだ。

 慎治の態度に深井はいよいよ愉しそうに口角を上げ、手元のロックグラスを傾けた。氷がグラスに当たる音が、深井と一緒に笑っているかのようにカラン、と尖った音で慎治の耳に響く。

「――この店、僕は今日初めて来ましたけど」

 物珍しいものを見るように、深井が店内を見渡す。ぐるりと彷徨わせた視線を慎治に戻し、深井は慎治の耳元に唇を寄せた。

「男が、同性の相手との出会いを求める場所ですよね」



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歩×慎治



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いい加減マスタに名前をつけてやらんといけません(;´Д`)


コメント
ツンツン慎治さんかわゆす(*´∀`*)ですね。
続きが楽しみです(≧▽≦)ゞ

なんとなくマスターはちゃん付け(高岡ちゃんとか)でよばれてるか、○○さん(タカさんとかユウさん)と呼ばれててほしいです(笑)
2010/02/23(火) 01:01 | URL | 市川美咲 #-[ 編集]
とんがってマスw
>市川美咲さん(*´∀`)

こばわ~お越し&コメまりがとんございます(*´∀`)
高校生慎治、とんがってマスw
育ちが良いだけに自分の身の置き所が分からなくて
とりあえず突っ張ってる、みたいなイメージでw

ずっと「キンカちゃん」って名前が私の中でチラついてて
いつか誰かに使いたいと思ってたんすけど、
どうでしょか、キンカちゃんw
キンカだとオネェぽすぎますかね
ただこのあと慎治と若干(ガッツリ?)
シリアスに絡むとこがあるんで
それでキンカだとちょとプ、ってなりそな気も…
あああああ迷いますですorz
一緒に考えてくださてありがとうございます!!

こんなカンジで暗く続きますが
またーりお付き合いよろすくおながいします!
2010/02/24(水) 00:05 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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