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Sister Moon(18)(R15)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 意思に反して、感覚は研ぎ澄まされてゆく。

 今なら部屋を照らす天井の灯りに流れる電気の音まで聞こえてきそうな気がする。

 肌に触れる空気の流れにさえ身体が過敏に反応してしまいそうで、身じろぎひとつもできない。なのに恐れに対する感覚だけは鈍ってゆく。深井に対し、やるならなんだって受けて立ってやる、という思いが次第に強くなってくるのを感じる。

 無理やり昂揚感へと誘導され、緊張感とはまた違う意味で呼吸が荒くなる。

 上下する己の胸を、熱を持ち始めた視界の端に見下ろした。

「効きが良いですね。普段あまりやっていないか……もしかして手を出したことがないんですか?」

 徐々に変化をきたす慎治の様子を観察するように見守って、深井が驚いたのか、ほんの僅かに目を見開いた。

「……ねぇよ。アンタ俺をなんだと思ってんだよ」

 未成年が夜の街で喫煙し、飲酒する。その先にはセックス、そしてクスリがあるだろうと、誰しもが想像するだろう。薬物の一線だけは守ってきたと、理解などしてはもらえないことは。

 ――分かってる。

 どこに行っても、自分を理解してくれる人間なんていない。

 それに現に今、こうやって誰しもが想像するステレオタイプな墜ち方をしている。

 それでも、心だけは守り通す。

 深井を睨みつけることで、無言で宣戦布告した。

「……なるほど。守るところは守ってきたということですか。でもそれが、なんの得になると言うんですか。現に君は」

 手首を取られた。手枷の鎖がしゃら、とちいさな音を立てて頭上まで持ち上げられる。

「あんなに優秀なのにこんな目に遭ってる」


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歩×慎治


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コメント
 深井さん、何か怖い~~~。
 敬語なのが余計…。

 私は勝手に、深井さんはゆっくり喋るんだろうなぁ、だから余計怖いんだろうなぁ、て思ってて、自分で自分の恐怖を煽ってます(何してんだ)。
2010/03/12(金) 08:33 | URL | 如月久美子 #-[ 編集]
こぬつわ~(*´∀`)
>如月さん(*´∀`)

深井はいちお「敬語攻め」になるすよね
私は敬語攻め=鬼畜なイメージがw
あいやワンコ、てのもありますね(*´Д`)

深井はちょとヤバめなヤツなんで
キレてハヤクチになったら一番怖いよ、みたいなイメージですw
気持ち悪さ出せてますでしょかorz
如月サンの脳内補完に感謝でし(´Д⊂ヽ
引き続きのお付き合いどぞよろしくお願いします!


2010/03/13(土) 16:38 | URL | ベラ #-[ 編集]
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