再びスーツケースに戻った深井が次に取り出したのは、枷と同様ながら先刻のものよりは細い、革製の短いベルトだった。
それが何なのか解らずに、深井の手元を凝視する。深井の視線を首元に感じて、それが首輪だと数秒かけて理解した。
慎治に粘着質な視線を流すように送りながら、深井は黒い革製のそれをするりと撫でた。
それが何なのか解らずに、深井の手元を凝視する。深井の視線を首元に感じて、それが首輪だと数秒かけて理解した。
慎治に粘着質な視線を流すように送りながら、深井は黒い革製のそれをするりと撫でた。
「……っ」
触れられてもいないのに、首元を撫でられたかのようにぞくりと肌が立つ。
慎治のその様子を薄い笑みのまま横目に見ながら、深井は慎治の首元に手を伸ばした。そのままそれを慎治の首の後ろに通し、一旦締め上げる格好で留めるベルトと同じ要領で、それを慎治の首に嵌めた。
頭上に置かれた両の手首。ぐ、と首の後ろにまで下ろされたかと同時に、耳の後ろ辺りでかしゃりと音がした。
何が起こったのか解らずに身じろぐと、がしゃ、と音を立てて手枷が首輪を引っ張った。必然的に首にベルトが食い込み、喉が締められる。
「っ、げほっ、がほっ」
苦しさに咳き込み、目尻に涙が浮かぶ。
これで手も足も、自由を奪われたと悟る。
もう逃げられない。
潤む視界で、それでも深井を睨みつけた。
「いい眺めですよ」
その様子に深井は満足そうに笑って、差し出した人差し指を慎治の顎に掛けた。僅かに上を向かされ、薄目で見下ろされる。
「学校でも何食わぬ顔をしながら、さぞ優秀な成績を修めているんでしょう」
指先が、ゆっくりと身体の線を辿る。喉仏を擽るように通り過ぎ、首筋を下りてゆく。浮き出た鎖骨を通り、身体の脇を撫でるように下りて、胸の突起へと。そこで、おもむろに爪を立てられた。
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触れられてもいないのに、首元を撫でられたかのようにぞくりと肌が立つ。
慎治のその様子を薄い笑みのまま横目に見ながら、深井は慎治の首元に手を伸ばした。そのままそれを慎治の首の後ろに通し、一旦締め上げる格好で留めるベルトと同じ要領で、それを慎治の首に嵌めた。
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何が起こったのか解らずに身じろぐと、がしゃ、と音を立てて手枷が首輪を引っ張った。必然的に首にベルトが食い込み、喉が締められる。
「っ、げほっ、がほっ」
苦しさに咳き込み、目尻に涙が浮かぶ。
これで手も足も、自由を奪われたと悟る。
もう逃げられない。
潤む視界で、それでも深井を睨みつけた。
「いい眺めですよ」
その様子に深井は満足そうに笑って、差し出した人差し指を慎治の顎に掛けた。僅かに上を向かされ、薄目で見下ろされる。
「学校でも何食わぬ顔をしながら、さぞ優秀な成績を修めているんでしょう」
指先が、ゆっくりと身体の線を辿る。喉仏を擽るように通り過ぎ、首筋を下りてゆく。浮き出た鎖骨を通り、身体の脇を撫でるように下りて、胸の突起へと。そこで、おもむろに爪を立てられた。
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