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Sister Moon(26)(R18)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「……、……」

 さすがに、戦いた。

 仁王立ちで慎治を見下ろす深井を前に、そう言えばと思い出したように彼の下肢を伺い見る。衣服の上からの目視のみでは確証は持てないが、そのスラックスの前立て辺りの平坦な様子から、おそらく彼の性器は勃起していない。

 それで悟った。

 深井はそもそも慎治に自身を挿入するつもりなど毛頭なかったのだ。

「蓋をしてあげますから。達することができないと泣けばいいんですよ」

 深井が手にした蝋燭にライターで火を点ける。同時に深井の瞳が揺らめく蝋燭の火を映し、彼の冷めた瞳の奥に小さな炎が灯る。

「懇願してみせて下さい。いつものその涼しい顔を歪めて」

 小さく揺れる炎越し、深井が慎治を見やってまたにやりと笑う。

 その瞳に宿すものは、慎治への憎しみか、それとも――。

「っんで、……っ」
「何か言いましたか?」
「なんで、っ、俺……なんだ、よ」

 深井は、今まで慎治が見てきた相手とは違う。求めるのはただ性のはけ口のみの奴らとは違い、射精(だ)せば終わりの単純さでは推し量ることはできない。

 何故、俺なのか。

 彼のその歪んだ性嗜好に彼の背景を想った。

 その問いに、深井が口を戦慄かせた。

「っ、じなはず、のに」
「……、……?」
「……同じなはずなのに、僕は周囲から疎まれて、なのに君は、……楽しんでる、っ」

 深井が持っていた蝋燭を傾け、高い位置から慎治の中心に向かって蝋が落とされた。蝋は中心を外し、薄い茂みの端にぽとりと落ちた。

「っ、……」

 ほんの一瞬走る痛み。けれども火元を離れた蝋は、すぐに温度を下げて墜ちた場所で再び固体に戻った。


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歩×慎治


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コメント
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2010/03/25(木) 22:07 | | #[ 編集]
ヤスミヤスミでやらせていただいてます(;´Д`)
>秘密コメ↑Kさん(*´∀`)

こばわ~(*´∀`)
更新のない夜にもお越しまりまトンございやす!
ロウソクでフタですが、
ニョドーに綿棒突っ込んでロウでフタ、ってのは
ドッカで見たことがw
ドMの人とかってホントに考えらんないくらい
人体の限界に挑戦するんすよね
萌えてよりもう感心の域でしw

慎治はクスリでアゲアゲになってるハズなんすけど
どうにもその描写がアレでほんとすいませ……orz
攻め道具はそろそろ終わらせようと思ってますw
深井は深井で背景にいろんなコトあって
こんな歪んだ行動に出るんだろなぁとか色々想い始めると
深井もなんだかカワイソになってきたりする辺り
完全なワルモノを作れない私のアマサw
それを慎治に投影しまつw
人のココロを開くのはやぱり北風より太陽w
そんなカンジで終盤に向かいたいと思います(*´∀`)

最後までお付き合いどぞよろすくおながいいたします!
2010/03/27(土) 00:22 | URL | ベラ #-[ 編集]
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