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Sister Moon(27)(R18)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「僕が君の年齢の頃も、勉強なら何もしなくたってできた」
「ぅッ、っ……」

 蝋燭が傾き、またぽたりと蝋が落ちる。その刺すような小さな痛みは、けれども今の慎治にとっては快感を刺激するものでしかなかった。中心が官能に震え、先端からじわりと蜜が滲み出る。

「同じなはずなのに……っ」

 深井が慎治に抱いている感情。それは同族嫌悪か、あるいは屈折した羨望か。

 ぽたり、ぽたりと。

 狙いを定めて少しずつ、落ちる蝋が先端に近づいてくる。

「ッ、……ンっ、ァっ」

 そのうちの一滴が、屹立する幹に落ちた。その痛みに身体が硬直し、がしゃりと音を立てて腕が首を引っ張る。咳き込むのも容赦なく、新たな痛みがまた落とされる。

 ――同じ。

 少ない言葉だったが、深井の言わんとすることは理解ったような気がした。

 深井もまた、自分がどこにも馴染めないという異質感を、ひとり抱えてここまできたのだろう。

 誰からも理解などされないと諦めているかのようで、その実誰よりも理解されることを願っている。

 ――ほんとに、同じだ。

「っ、アンタが俺くらいの頃は、どうだったか知んね、っけど」
「……、まだそんなに話す余裕があるんですか」

 怒りか、もしくはほんの少しの畏れか。深井が戦慄きながらまた蝋燭を傾ける。

「っ、ァっ、……でも今は、違う、だろ? 今はアンタ、大勢の人に、必要とされてる」

 絶え間なく落とされる痛み。それを快感と捉える身体。こんな相手にさえ慈悲のような気持ちを抱くのも、あるいは彼に施された薬のせいなのかも知れない。



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歩×慎治


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