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Sister Moon(32)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 新山の言葉に驚いたのか、深井が刑事の手を振りほどこうと抵抗していた動きを止めた。耳を疑っているかのように、新山を凝視する。

「俺じゃだめかよ先生?」
「……新山君……?」

「俺になら、先生のしたいことなんだってしたって構わねぇよ」
「どうしてそんな、僕なんかに……」

「先生だけが、俺に『頑張れば君ならできるよ』って、言ってくれたから。……どいつも無理だとしか、言ってくんなかったのに」
「……そんな些細なことで、まさか」

「些細なことかも知んねぇけど、俺にはすげぇデカいひとことだったよ。もう少しで合格圏内なんだ。先生の、おかげだよ」
「新山君……」

「だから先生、ヤケみたいになって俺からいなくなんねぇでよ。俺、先生んこと、……」

 好きだから、と最後は消え入るように告白して、新山が俯いた。

 思いもよらない流れに呆然とする深井に、満を持したとばかりにゆったりとした表情で、刑事が口を開いた。

「――俺は今非番だからあんたのことは逮捕しねぇよ」
「刑事さん……?」

 事の成り行きが把握できていない疑問符だらけの表情で、深井が部屋にいる三人を順に見た。

「彼ね、うちのお客さんなの。あ、お客さんて言っても、刑事なのは本当よぉ。何かあった時本職がいてくれる方が何かといいでしょ」

 慎治に耳打ちするように打ち明けて、マスターが悪戯っぽく笑う。

 脇のひそひそ話を苦笑とともに一瞥し、彼は話を続けた。

「ただ、あんたの出方によっちゃ俺が証人となってあんたを逮捕することもできる」
「あ……、僕は……」

 唇を震わせて、深井が膝を折った。

「君は、彼をどうしたい?」

 少し目元を緩めて、刑事が慎治を見た。


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歩×慎治


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日付変わる3分前に更新作業orz
今回会話ばっかですが、どれが誰のセリフか、お分かりいただけますたでしょかorz




コメント
お久しぶりです!
まさか慎治さんの過去にこんなことがあったなんて;
なんとか新山くんが間に合ってくれて…ふう…。
そして深井先生、どうしようもない男だと思っていたら
彼にも救いがあって良かった~^▽^
読み逃げばかりですが(汗)もし宜しかったらまた遊びに来させて下さい(_)
2010/04/05(月) 08:44 | URL | 蛍 #-[ 編集]
いらさいませ~(*´∀`)
>蛍さん(*´∀`)

お久しぶりですお越しまりまとうございます~(*´∀`)
慎治の過去は長い間ずっと考えてたすけど
結構ハードなオハツ(玩具w)と相成りまんた\(^o^)/
乗馬鞭はガチで危険だと思い、そこでストップでしw
どうしようもないヤツにもどうしても慈悲を授けてしまいます(神目線w)
なんでこんなヤツに、と読んでる方が思われるんじゃないかと
(;´Д`)てなってましたが
そう言っていただけると私も救われます(*´Д`)

あいやこちらこそ!
蛍さんとこは皆さんのコメが真摯なんで
私のアホアホコメだとコメ汚しになりそうで(´Д⊂ヽ
読み逃げばかりさせていただいてますすいませんアセアセ
もちろんこれからも通わせていただきます!!
ありがとうございますた~(*´∀`)
2010/04/06(火) 23:45 | URL | ベラ #-[ 編集]
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