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Sister Moon(34)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 マスターに抱えられるように助けられ、タクシーで連れられたのは店のすぐ近くにあるマンションの一室だった。

「今日はここで寝てったらいいわ」
「ここ……」
「私んちよ。彼氏でもないオトコ連れて来ることなんて滅多にないんだから」

 感謝しなさいよ、と軽く睨まれ、ベッドに横たえられる。

 家に帰るべきかとも思ったが、明らかにいつもと異なる状態のまま帰ることは家庭内でのつまらないトラブルの素だろうと、そのまま大人しく横になった。

 柔らかく揺れるウォーターベッドの温かさが身体に心地好い。

 小さく吐息して、目を閉じた。

 目を閉じると、まだ残る薬の効き目で身体の奥がじくりと疼いた。

「――疲れてるんだろうけど、家に連絡だけ入れておきなさいよ」

 マスターの声が鼓膜に響き、驚いてびくりと目を開けた。その様子に却ってマスターが驚いたように目を見張り、けれども黙って電話の子機を慎治に手渡した。

 自宅に電話し、応答した母には村上の家に泊まると告げた。継いで村上にも電話をし、今夜お前んちに泊まると伝えた。村上は勝手知ったように分かった、と応えたが、もちろん今まで一度も村上の家に泊まったことはない。

 電話を切り、泊まると伝えた翌日はいつも学校で会うとそうするように、慎治を窘めるような、心配するような表情で慎治を見る村上を思い浮かべ、一人微かに笑みを浮かべる。

 叶わぬ恋だと分かっていても、村上は慎治にとって数少ない拠り所だった。

「慎治」

 通話を終えたのを見計らって、マスターが子機を寄越せとばかりに手を差し出す。慎治も黙って子機を差し出したが、受け渡しと同時に彼のもう一方の手が伸びてきて、指の背で何かを試すように慎治の頬に触れた。


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歩×慎治


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コメント
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2010/04/09(金) 20:47 | | #[ 編集]
そのまさか!ですw(半分くらい)
>Kさん(*´∀`)

こばわ~(*´∀`)コメまりがとんございます!
今夜もお越しありがとうございます(´Д⊂ヽ

まだクスリが切れてないカンジでお送りしてまつ(*´∀`)
多分結構端折ってサックリ終わらせるツモリすけど
マスターが腐腐腐で腐w
ここにくるまで色々迷いましたが
ソレはもう少しお待ちくださいでしエヘヘ(*´∀`)
(たいしたアレでもないんですがアセアセ)

またーりすぎ更新期入ってますが
よろしければどどどどどうか引き続き!お付き合いよろすくおながいします!

ありがとうございましたーっ!

2010/04/10(土) 22:26 | URL | ベラ #-[ 編集]
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