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Sister Moon(36)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「目、瞑ってたらいいわよ。慎治は何もしなくていいから」
「ん……、……っ」

 優しい仕草で背を撫でる彼の手に、性的な意図が込められるのを感じる。

 僅かに力の入った彼の指先が、ゆっくりと身体のラインをなぞる。それだけで、燻り続けていた欲望はあっという間に限界近くまで張り詰めた。

 彼は終始無言だった。

 彼に抱きしめられたまま、時折彼からこめかみに優しい口付けが落とされる。彼の言葉通り身を委ねると、心が暖かいもので満たされ、身体は穏やかに熱くなった。その行為はまるで、母に抱擁されているような、懐かしい心地でもあった。

 
「っ、ん……っ」

 張り詰めた雄が解放を求めて自ずと腰が揺れる。優しく嚢から揉みしだかれ、幹がゆっくりと扱かれた。薬の所為だけじゃない、彼の手は酷く巧みで、気付いた時には彼の腕に縋るようにしがみつき、呼吸を荒くしていた。

「はぁ、っ、っん……」
「いいのよ、イっても」

 耳元で囁く声が身体に優しく染み渡る。深井に無理やり熱を持たされ続けた欲望だけでなく、今まで知らず己の中に溜め込んできた感情までが昂ぶり、溢れ出しそうになる。

「ぁ……、っ、っ」

 身体が飽和を迎えたと同時、彼の手に握り込まれる。

 全身が硬直したように、指先まで力が入る。身体が震え、五感の全てが閉ざされる。

 幾度かの痙攣とともに、彼の手の中に欲望を吐き出した。

「はぁ、はぁ、ぁ……」

 五感が戻って、頬に濡れた水気の感触を覚えた。そこで初めて自分が泣いていたのだと知った。

 けれども彼は何も言わなかった。ただ黙って、慎治を強く抱き締めていた。



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歩×慎治


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マスターのこの抱き方は慎治が歩を拾ってきた時の抱き方そのものなイメージだたりします(*´∀`)


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