愛の夢　第一〇〇三番（５）

　昼間は仕事場から慎治さんの指示を仰ぐ電話が携帯に掛かってきてるみたいで、慎治さんがそれに応えてるのも回復を遅らせる原因になってるんじゃないかとか思うと、見た事のない慎治さんの同僚だとか部下だとかに対して、こんな時までなんで電話なんか、と苛立ちを感じたりもした。






「……む、歩」

　肩を揺すられて、意識を取り戻した。

　寝室で寝てる慎治さんはどうしてるのかなとか、寂しいなとか、そんな気持ちから少しでも近い場所で慎治さんを感じていたくて、寝室の前の壁にもたれて座ってたら、いつの間にかそのままうずくまるような格好で寝てしまっていた。

　寝ぼけ眼でぼんやりと慎治さんを見上げたら、慎治さんはやっといつもの『しょうがねぇなぁ』って顔をして笑った。それから俺の隣に座って、俺を覗き込んでキスをくれた。

　唇が触れ合う柔らかい弾力が、どこか懐かしくさえあって心の奥までじんと沁みた。

「慎治さん……？」

　――もうキスしてもいいの？　治ったの？

　慎治さんに無言で訊いたら、慎治さんは笑みを深めた。

「今日は昼から調子戻ってきてるなって思ってたんだけど、今晩はやっと夜になっても熱上がってこなくなった。明日一日出なかったら、明後日から出勤だ。ほんとは明日からでも行きたいとこなんだけど、店の規定でな」

「じゃ、もう」

「シーツ替えて部屋をきっちり換気して、そしたら」

　一緒に寝れる、と少し意味ありげに、慎治さんが俺の耳元で囁いた。
　

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歩×慎治



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書き方忘れてませんようにorz