「あの、三垣部長……」
村椿が目元を潤ませて三垣の横に立っている。
「あんだ?」
三垣は『俺は怒ってるんだオーラ』を精一杯出して村椿の方を向いた。
「あの、迷惑かけて、本当に、すみません。僕、でも、三垣部長のような記事、書けるようになりたいんです。だから、頑張りますから……」
ここまで言ってとうとう村椿の目から一筋の涙がこぼれた。
村椿が目元を潤ませて三垣の横に立っている。
「あんだ?」
三垣は『俺は怒ってるんだオーラ』を精一杯出して村椿の方を向いた。
「あの、迷惑かけて、本当に、すみません。僕、でも、三垣部長のような記事、書けるようになりたいんです。だから、頑張りますから……」
ここまで言ってとうとう村椿の目から一筋の涙がこぼれた。
「あ~!! ぶっちょ~!! ツバキちゃん泣かせたな~!! 新聞部のアイドルを泣かすなあ!!」
また周囲がうるさく騒ぎ立てる。
「うるさい!! 新聞部にアイドルも何もあるか!!」
三垣は怒鳴りつけて、村椿を見た。必死で涙を堪えようとしているが、目からは新しい涙が次から次へと流れ出ている。三垣は小さく溜息をついた。
「ま、一生懸命なのは分かるから、早くいっぱしの事くらいは出来るようになるよう、頑張ってくれ」
三垣は呆れ顔を作り、目を閉じてそう言った。台詞を言い終わって目を開けると、村椿の雨上がりの笑顔が飛び込んで来る。
「ありがとうございます! 僕、三垣部長目指して頑張ります!!」
その変わり身の早さの所為か、あるいはあまりにも真っ直ぐなその台詞の所為か、三垣は思いがけず顔がかっと熱くなるのを感じて村椿から視線を逸らせた。
「わ、分かったら早く、資料の整理をしてしまえよっ」
「はい!!」
そう言って村椿は元気に隣室の資料棚が置かれている部屋に向かった。
一生懸命なのは、充分すぎるくらい分かってる。それに多分、ツバキでなければ常に冷静なこの俺様が、こんな面倒見のいいことなんて、していないだろう、っての。どーするよ、この気持ち。
がっしゃーん、と資料棚の方から音がする。高所の資料を棚から取る為の脚立が倒れる音だ。
「おい、ツバキ! 大丈夫か!!」
慌てて三垣は真っ先に席を立つ。その姿に部員たちは意味ありげに目を見合わせて笑う。
三垣の苦労はこれからも暫く絶えそうにも無い。
おしまい
続編あります。よろしければドゾー。
続・三垣君の苦悩の日々
三垣君の苦悩の日々ZZ
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また周囲がうるさく騒ぎ立てる。
「うるさい!! 新聞部にアイドルも何もあるか!!」
三垣は怒鳴りつけて、村椿を見た。必死で涙を堪えようとしているが、目からは新しい涙が次から次へと流れ出ている。三垣は小さく溜息をついた。
「ま、一生懸命なのは分かるから、早くいっぱしの事くらいは出来るようになるよう、頑張ってくれ」
三垣は呆れ顔を作り、目を閉じてそう言った。台詞を言い終わって目を開けると、村椿の雨上がりの笑顔が飛び込んで来る。
「ありがとうございます! 僕、三垣部長目指して頑張ります!!」
その変わり身の早さの所為か、あるいはあまりにも真っ直ぐなその台詞の所為か、三垣は思いがけず顔がかっと熱くなるのを感じて村椿から視線を逸らせた。
「わ、分かったら早く、資料の整理をしてしまえよっ」
「はい!!」
そう言って村椿は元気に隣室の資料棚が置かれている部屋に向かった。
一生懸命なのは、充分すぎるくらい分かってる。それに多分、ツバキでなければ常に冷静なこの俺様が、こんな面倒見のいいことなんて、していないだろう、っての。どーするよ、この気持ち。
がっしゃーん、と資料棚の方から音がする。高所の資料を棚から取る為の脚立が倒れる音だ。
「おい、ツバキ! 大丈夫か!!」
慌てて三垣は真っ先に席を立つ。その姿に部員たちは意味ありげに目を見合わせて笑う。
三垣の苦労はこれからも暫く絶えそうにも無い。
おしまい
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