「綾峰高校新聞部でーっす。おねーさまがたに向かって右から部長の三垣、俺、志水、隣が高見、最後が我が部のホープ、ツバキちゃんコト村椿一(はじめ)クンでーす」
化粧の匂いがここまで届いてきそうな派手な四人の女性を前に、副部長の志水が明るく三垣たち四人を紹介した。
――っておい、なんでツバキがここにいんだよっ?!
化粧の匂いがここまで届いてきそうな派手な四人の女性を前に、副部長の志水が明るく三垣たち四人を紹介した。
――っておい、なんでツバキがここにいんだよっ?!
最近になって男ばかりの新聞部員が急に彼女だの彼氏(?)だのを作ったものだから人が集まらないらしい。「どうしても頭数が足りないから、お願いっ!」と言われ、志水に無理矢理連れてこられた女子大生相手の合コン。三垣も以前は情報収集も兼ねて機嫌よく参加していたのだが、どういうわけか最近はめっきり誘いも減り、また自分から幹事をしてまで合コンをしたいとは思わなくなっていた。
「きゃ~っ、ツバキくんカワイイ~~っ」
最後に紹介された村椿に女子大生たちの視線が集中する。それは当然のことだった。入学当初中学生と見まがうくらいだった村椿の身長は、入学と同時に音が聞こえてきそうな勢いでぐんぐん伸び続け、夏休みが明けた頃にはもう百七十五センチある三垣とほぼ同じ目線になっていた。入学当初と変わらない陶磁器の肌にまだ残るあどけなさ、それに加えて見せ始めた男らしさ。目元の泣きぼくろも加担して、女心をくすぐらないところはないだろう、とすら言える。
苦々しい気分でちらと村椿に目線を遣ると、白い肌をぱっと薄く染めてどうしていいやらわからないといった表情を浮かべてぎこちなく笑っている。
「おい、志水」
彼女達の視線が村椿に集中している隙をついて三垣が志水を肘でつついて小声で問いかけた。
「なんでツバキがここにいんだよっ?」
「いや~、どーしても頭数足んなくて。でもツバキちゃんも部長が来るっつったら二つ返事だったし。……ま、ツバキちゃんが大事なんは分かっけど、彼にも社会勉強させてやんないと」
あっけらかんと笑って志水が三垣の背を叩く。
「お、おいっ! ……な」
「さーさー、まずは乾杯いたしましょーっ!」
タイミングよく運んでこられたビールのジョッキを手に、まだ何か言い足りない三垣を無視して志水が乾杯の音頭をとる。
――ツバキが大事って、どーゆうコトだよっ?!
言えなかった言葉をヤケクソになってごくごくっとビールで流し込む。ぷはっといきなりジョッキ半分まで空けて再び村椿を見ると、苦いのを我慢して飲んだのか、村椿はほんのり赤くなった目尻にうっすらと涙を浮かべていた。それがまたお姉さまがたのツボをついたらしい。
「きゃ~ん、ツバキくんったら、涙浮かべちゃって、カワイイ~! もっと飲みなよ~っ」
――おいおい、ツバキ、大丈夫かよ……。
ヤキモキするような気持ちでその様子を眺める。まったく面白くないったらない。こんな時までツバキの事を気にかけてやる必要はない。分かってはいるのに、それでも村椿を何かと気にかけている自分を忌々しく思って、三垣はまたジョッキを煽った。
2/4へ→
『三垣君の苦悩の日々』シリーズあります。よろしければドゾー。
三垣君の苦悩の日々
続・三垣君の苦悩の日々
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「きゃ~っ、ツバキくんカワイイ~~っ」
最後に紹介された村椿に女子大生たちの視線が集中する。それは当然のことだった。入学当初中学生と見まがうくらいだった村椿の身長は、入学と同時に音が聞こえてきそうな勢いでぐんぐん伸び続け、夏休みが明けた頃にはもう百七十五センチある三垣とほぼ同じ目線になっていた。入学当初と変わらない陶磁器の肌にまだ残るあどけなさ、それに加えて見せ始めた男らしさ。目元の泣きぼくろも加担して、女心をくすぐらないところはないだろう、とすら言える。
苦々しい気分でちらと村椿に目線を遣ると、白い肌をぱっと薄く染めてどうしていいやらわからないといった表情を浮かべてぎこちなく笑っている。
「おい、志水」
彼女達の視線が村椿に集中している隙をついて三垣が志水を肘でつついて小声で問いかけた。
「なんでツバキがここにいんだよっ?」
「いや~、どーしても頭数足んなくて。でもツバキちゃんも部長が来るっつったら二つ返事だったし。……ま、ツバキちゃんが大事なんは分かっけど、彼にも社会勉強させてやんないと」
あっけらかんと笑って志水が三垣の背を叩く。
「お、おいっ! ……な」
「さーさー、まずは乾杯いたしましょーっ!」
タイミングよく運んでこられたビールのジョッキを手に、まだ何か言い足りない三垣を無視して志水が乾杯の音頭をとる。
――ツバキが大事って、どーゆうコトだよっ?!
言えなかった言葉をヤケクソになってごくごくっとビールで流し込む。ぷはっといきなりジョッキ半分まで空けて再び村椿を見ると、苦いのを我慢して飲んだのか、村椿はほんのり赤くなった目尻にうっすらと涙を浮かべていた。それがまたお姉さまがたのツボをついたらしい。
「きゃ~ん、ツバキくんったら、涙浮かべちゃって、カワイイ~! もっと飲みなよ~っ」
――おいおい、ツバキ、大丈夫かよ……。
ヤキモキするような気持ちでその様子を眺める。まったく面白くないったらない。こんな時までツバキの事を気にかけてやる必要はない。分かってはいるのに、それでも村椿を何かと気にかけている自分を忌々しく思って、三垣はまたジョッキを煽った。
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『三垣君の苦悩の日々』シリーズあります。よろしければドゾー。
三垣君の苦悩の日々
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コメント
シリーズ3作目(大袈裟)となりましたので
ZZはダブルゼータですwww
寝てるわけではありませんwwww
往年の合コン模様ですが
今も合コンってこんなノリなのか
ちょっとかなり心配wwwww
そして未成年の方、
飲酒と喫煙はハタチになってからですよwwww
ZZはダブルゼータですwww
寝てるわけではありませんwwww
往年の合コン模様ですが
今も合コンってこんなノリなのか
ちょっとかなり心配wwwww
そして未成年の方、
飲酒と喫煙はハタチになってからですよwwww
おねーさまウケする村椿。
「陶磁器の肌」は反則やわ~~。
おねーさまどころかおばさまにもウケちゃう~~^^
ほっぺたつまみたいです。
「陶磁器の肌」は反則やわ~~。
おねーさまどころかおばさまにもウケちゃう~~^^
ほっぺたつまみたいです。
2007/11/09(金) 14:22 | URL | 平和堂書店 #-[ 編集]
ワテシがおねーさまでも
やっぱり陶磁器の肌には
ちょっと触らせてもらっちまうと
思いますwwwww
あまりお目にかかれませんからね!
プニュ( ´∀`)σ)Д`)
やっぱり陶磁器の肌には
ちょっと触らせてもらっちまうと
思いますwwwww
あまりお目にかかれませんからね!
プニュ( ´∀`)σ)Д`)
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