2ntブログ

三垣君の苦悩の日々ZZ2/4

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 志水が明るく立ち上がって何やら妙なパフォーマンスをしている。

 ――そういえばあれ、以前俺が教えた芸だったっけか。

 そんなことを考えながら三垣は他人事のように肘をつき楽しげな合コン風景を眺める。いったい何時の間に合コンがこんなにつまらないものに感じるようになってしまったのか。

 もてあました時間を潰そうと後ポケットの煙草に手を伸ばす。けれども村椿をチラ、と見て、舌打ちと共にその手をテーブルに戻した。何故かツバキの前で自分の喫煙シーンを見せてはいけないような気がする。村椿は変わらず回りからいいように遊ばれていた。

「ブチョーさんはいつもこんなにニヒルなの~?」

 三垣の前に座る女が雰囲気と酒に早くも酔ったような口調で三垣に問い掛けた。

「あ、いや」

 三垣の答えに被せるように代わりに志水が割ってはいる。

「えー、違いますよぉ~。ぶっちょ~、今日はどーしたんすかぁ? 俺の合コンでのお作法は全て部長から伝授されたようなもんなんすよー? それ程の合コンキングだったんすけどねー」
「おいっ、それは違うだろっ」

 慌てて調子の良すぎる志水の口を塞ごうと手を伸ばす。

 その時がた、と音を立てて勢い良く村椿が立ち上がった。酔いが回ったらしい上気した頬で怒っているとも悲しんでいるともつかないような目線をきっと三垣に一度送ってから、音によって集中した全員の視線に背を向けてだっと走り出した。

 それと同時に三垣の視界から村椿以外のものが消えた。

「おいっ、ツバキっ!! 走ったら酔いが回るぞっ!」

 慌てて立ち上がり、三垣は村椿の後を追って駆け出した。

 合コン会場にほんの一時静寂が漂う。二人の背中を見送った後、志水が軽くふぅっと息を吐き、世話の焼ける、と小さく呟いた。そして残された隣の高見とにまっと意味深な笑みを向けあう。

「ちょっと~、何、今の~?」
「まーまーまー。ツバキちゃん今日酒初めてなんすよ~。気分悪くなったんだと思いますっ。んでツバキの面倒見るのは部長の役目なんで」

 一連の出来事に不審気に眉を顰める女性陣を宥めるように志水が立ち上がって両の手のひらを上下に振る。

「悪いけど、お姉さま方、今日は俺と高見二人で、許して」

 両手をぎゅっと握り締め、小首を傾げて二人が四人にしなを作って笑いかける。「ええぇ~っ!」という声とともにお絞りが二人に飛び、軽いブーイングの嵐となった。




3/4へ→

『三垣君の苦悩の日々』シリーズあります。よろしければドゾー。
三垣君の苦悩の日々
続・三垣君の苦悩の日々


↓よければポチっと押してクダサイ
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ

コメント
そら、お目当てのツバキちゃんに逃げかまされたら、おねーさま怒るわ。
て、「逃げ」は「かます」でええんやんね?
2007/11/09(金) 14:25 | URL | 平和堂書店 #-[ 編集]
合コンは男女の人数を合わせて
執り行われるものですが
大概誰かがあぶれてしまいます(;´Д`)
しかし男女の合コンに置いてはフツウは
ホモは(゚⊿゚)イラネなハズwwwww

このあと高見と…ダレだっけ(名前失念wwww)
がおねーたま達を食ったかどうか
とても気になるところですwwww

ところで逃げかましよった、で
イけると思いますb
2007/11/10(土) 04:50 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
http://gerberahybridblog.blog.2nt.com/tb.php/46-1362591f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

 | Copyright © がっつりBL的。 All rights reserved. | 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ