好きすきスキと言わせたい（22）(R18)

「あ、怜史っ、んっ、どっち、も……っ」

　ベッドから背を浮かせて榛名が懇願する。怜史は嬉しさに目を細め、ずん、と最奥まで穿つと直ぐに抽送を繰り返した。

「榛名さん、好きだよ……」
「んっ、ぁ、ぅ、ん……」

　汗で腰から榛名の手が滑った。怜史を求めて腕を伸ばしながら、榛名が何度も頷く。その目尻には、涙が貯まっていた。

「泣いてるの、榛名さん……？　感じ過ぎちゃった？　……可愛い」

　親指で、その涙を拭い、己の口元へ運ぶ。口内に広がる塩気までが愛しい。

「っん……あっ、ぁ、……れ、じ……」

　榛名が縋るように怜史の腕を掴んだ。薄く開いた瞼から覗く黒い瞳は最早焦点を合わせる事もできず、それでも虚ろに怜史を見詰めている。羞恥を忘れた身体は貪欲に怜史を求め、打ち付けられる度に堪える事も忘れ喘ぎ声を零した。

「榛名さん……っ、一緒にイきたい……」
「ん、ぅっん、ぁ、怜史、す……き、好き……っぁ」
「あーもー榛名さん……俺も、好き」

　汗で滑りそうな榛名の脚を抱え直し、榛名の身体を折る程に腰を高く持ち上げた。上から突き刺すように打ち付け、腰使いを速める。榛名の猛りに手を握り、蜜で濡れそぼつ榛名を一緒に扱く。

「あ、怜史、も、イっく……イく……っ！」
「んっ……榛名さん、俺も……っ」

　びくん、と榛名が大きく背を震わせて、怜史の掌の中で白濁を吐き出した。快感に震えて榛名が怜史を締め上げる。榛名が達したのとほぼ同時、一段と狭くなった榛名の中に、怜史も熱く滾る精を注ぎ込んだ。

「ぁ……怜史……」

　体内で怜史の熱を受け止めて、榛名がぶる、と震えた。余波で更に何度か腰を打ち付けて全てを吐き出すと、怜史は脚を下ろして榛名に身体を添わせた。

「榛名さん……」

　繋がったまま榛名の胸元に頬をすり寄せる。耳を宛てがうと、榛名の心音が聞こえた。目を閉じて、少しずつ穏やかになってゆく心音に聞き入る。榛名が怜史の髪をそっと撫でた。その指先の優しさに、幸せな笑みが零れる。

「榛名さんは多分最初からずっと、こうやって俺を受け止めてくれてたんだね……」

　今まで榛名の無言の愛情表現に気づかなかった。それだけ夢中で榛名を求めていたという事でもあるけれど、今日でそのステージはクリアできたような気がする。

　顔を上げて榛名を見る。目が合うと、榛名は目を細め、無言で笑みを返した。その笑みに、怜史の胸がずぎゅん、と音を立てて射抜かれる。

「榛名さん……ごめん、俺……収まんない」

　吐き出してもなお力を失わない猛りを、小さく出入りさせて榛名にそれを伝える。

「んっ……」

　吐精で熟れた粘膜は過敏なのか、榛名はほんの小さな怜史の動きにも眉を寄せてびく、と反応を見せた。

「もっかいシてイイ？」

　問いながら、榛名の胸の突起を舌で突つく。

「ぁ、……ぅん……」

　榛名は苦笑にも似た笑みで頷いて、それでも優しい仕草で怜史の背を撫でた。




23へ→
１から読む→


↓よければポチっと押してクダサイ