好きすきスキと言わせたい（23）（完）

　怜史に幾度もイかされ、喘がされて喉を嗄らせた榛名の寝顔には、疲労と充足が混じりあって見える。光の中に浮かび上がる榛名の肌を撫でると、散々求め合ったのにまた欲しくなってくる。一体これは何なんだ、と自分でも半ば呆れたように苦笑して、榛名の薄い唇にキスを落とした。

「ん……怜史……？」

　榛名が薄く目を開けて怜史をその視界に捉え、ふわりと微笑む。

「あ、起こしちゃったね、ごめん」

　僅かに寝返りを打つ榛名の頬を撫でて、怜史は言葉とは裏腹にどこか嬉しそうに謝った。榛名がその手に己の手を重ね、そっと握って怜史の掌に口付ける。

「怜史……愛してるよ」

　怜史の掌に向かって、榛名が呟くように言った。

「先に言ったの……俺だからね……」

　そうしてそのまま再び目を閉じる。

「え？　え！　え、榛名さん、もっ回……！」

「ん……次は怜史の番……」

　せがむように榛名の身体を揺する怜史に笑いながら、榛名が怜史に背を向けた。後ろから抱き付いて、怜史は榛名の首筋に頬ずりする。

「そんなの、いくらでも言うよっ。榛名さん、愛してる愛してる。もー何がなんでもスゲー愛してる！」

　まくし立てる怜史に笑って、怜史の腕の中で榛名が怜史へ向き直った。

「今度させてくれたらね」
「……え？」

　意味が分からずに、怜史は榛名を覗き込む。榛名はふと笑って、怜史の唇を掠めるだけのキスをした。

「愛してるよ怜史。俺もう少し寝るから。……起きたらまたしよ……」

　そう言って、榛名は本当に規則的な呼吸を始めた。

「榛名さん、んな事聞いたら俺もう寝れねーよっ。起きてって。愛してる榛名さん、愛してるからっ」

　静かな朝の部屋に、怜史の声が空しく反射する。けれども怜史は幸せを噛み締めるように目元を緩ませ、眠る榛名を抱き締めた。



おしまい


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長らくお付き合いありがとうございますた。
リバフラグぶっ勃ててこの二人は一旦終了です。
こんな終わり方ですいません…(バタ)
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