実家を出て、少し離れた大学へ進学した僕は、夏休みで帰郷していた時に、町で偶然学(がく)に再会した。
「今はほうき星、来てないけど、今夜もう一度、観に行ってみないか。あの丘に」
再会を祝して軽く飲みに行った店で、学が僕にそう言った。
「いいね」
僕は笑って小さく頷いた。
「今はほうき星、来てないけど、今夜もう一度、観に行ってみないか。あの丘に」
再会を祝して軽く飲みに行った店で、学が僕にそう言った。
「いいね」
僕は笑って小さく頷いた。
あの時と同じ、午前二時にあの時と同じ場所で待ち合わせる。あの時待ち合わせた電車の踏切は、高架になっていてもう無かった。
そして僕の家では、望遠鏡が、もう見つからなかった。
「あれ、今日は荷物、少ないんだな。あん時は大袈裟な荷物背負ってたのに」
「あん時は母さんが『寒いといけないから』って色々持たせてくれてたんだよ。本当は学の分もあったんだ」
「そうなのか? でもお前、その割には寒そうだったじゃん?」
それはそうだろう。僕は母親が持たせてくれた防寒具を身には着けなかったのだ。もちろん学にも渡さなかった。寒かったら、それを理由に、触れ合う事ができるかな、と少し思っていたから。
「今日は雨、降らないだろうね」
僕は睨むように学を見る。
「あ、まだ言うか?ほんとにあの日ラジオじゃ雨は降らない、って言ってたんだ」
あの時より星が見えにくくなっている夜空を見上げて学が言う。学の黒いTシャツが闇に紛れて吸い込まれそうだ。不安になって僕は学との距離を縮めるために小走りに駆け寄った。
2へ→
↓よければポチっと押してクダサイ
そして僕の家では、望遠鏡が、もう見つからなかった。
「あれ、今日は荷物、少ないんだな。あん時は大袈裟な荷物背負ってたのに」
「あん時は母さんが『寒いといけないから』って色々持たせてくれてたんだよ。本当は学の分もあったんだ」
「そうなのか? でもお前、その割には寒そうだったじゃん?」
それはそうだろう。僕は母親が持たせてくれた防寒具を身には着けなかったのだ。もちろん学にも渡さなかった。寒かったら、それを理由に、触れ合う事ができるかな、と少し思っていたから。
「今日は雨、降らないだろうね」
僕は睨むように学を見る。
「あ、まだ言うか?ほんとにあの日ラジオじゃ雨は降らない、って言ってたんだ」
あの時より星が見えにくくなっている夜空を見上げて学が言う。学の黒いTシャツが闇に紛れて吸い込まれそうだ。不安になって僕は学との距離を縮めるために小走りに駆け寄った。
2へ→
↓よければポチっと押してクダサイ
コメント
わかる方はわかると思いますが
これはバンプの天体観測にインスパイアされて
というか妄想かられて
書きました。
バンプ好きです。
これはバンプの天体観測にインスパイアされて
というか妄想かられて
書きました。
バンプ好きです。
2007/08/18(土) 12:28 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
バンプっていうのが何だかは分からないけど(たぶん恐るべきジェネレーションギャップがそこに・・・)、寒いとくっつく理由ができるっていうコアクマな心理は分かります。
私だってムカシは恋愛したのですから・・・(遠い目)
私だってムカシは恋愛したのですから・・・(遠い目)
2007/11/06(火) 17:10 | URL | 平和堂書店 #-[ 編集]
むはは、スミマセン
バンプはバンプオブチキンっていう
バンドです。
天体観測、というまんまのタイトルの歌があります。
お化け屋敷に入るとか、ジェットコースターに乗るとか、つり橋を一緒に渡る…とか…ne!
バンプはバンプオブチキンっていう
バンドです。
天体観測、というまんまのタイトルの歌があります。
お化け屋敷に入るとか、ジェットコースターに乗るとか、つり橋を一緒に渡る…とか…ne!
この記事のトラックバックURL
http://gerberahybridblog.blog.2nt.com/tb.php/19-a1c4e7ff
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック