2ntブログ

天体観測~望遠鏡と、君と僕~(2)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 学の望遠鏡は本当にあの時と同じ物なのだろうか。そう思ってしまうくらいに小さい。ここまで運ぶの、結構大変だったのに。今はおもちゃのように軽々とそれを学は持ち運んでいる。

「じゃぁ、始めようか」

 学はあの時と同じ台詞を、あの時とは違う声で口にした。懐中電灯の小さな灯りを頼りに手早く望遠鏡を組み立てる。僕は懐中電灯を照らしながら、その間中ずっと学を見ていた。広くなった肩、大きくなった手。髭も少し伸びてる? あの時と同じなのは僕の気持ちと望遠鏡だけだ。

「ほら、お前も覗いてみろよ」

 そう言われて僕は望遠鏡を覗き込んだ。

「……きれいだね」

 ちかちかと瞬く天空の星たちは腕を伸ばせば手に届きそうだ。僕は腕を伸ばしてみた。

「お前ほどじゃねえよ」

 不意に覗き込んでいる視界が遮られ、伸ばした僕の腕を学が掴んだ。はずみで望遠鏡に当たり、どさりと倒れる。

「……あ、望遠鏡が」
「んなのいいよ」

 そう言って学は僕の唇を塞いだ。

「ずっと、好きだった。もう一度、お前とここへ来れるなら、今度こそお前の手を取ろうと決めてたんだ」

 そして僕を力いっぱい抱き締める。学の肩越しに空を眺めると、流れ星が一筋、光を残しながら天空を横切った。

「ねえ、学?」

 あまりに強く抱き締めるから少し苦しくなって、僕は学の胸のあたりをぐいと押した。

「本当は、あの時もこうしてよかったんだよ」

 そう言って僕は自由になった両腕を学の首にまわした。
 あの時と変わってないものを、もう一つ、見つけた。



 そして、二人で一緒に空を眺める事が出来たのは、その一時間もあとのことだった。


おしまい

↓よければポチっと押してクダサイ
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
コメント
こんにちはー♪
早速お邪魔&拝読させていただきました~。
またベラさんのお話が読めるなんて…嬉しいでっす!!
タイトルで印象に残っていたのがまずこちら。
街もみんな変わってしまったけど、
想いは変わらなかった…いいですねぇ♪


8月にペルセウス流星群を見に行った時の事をふと思い出したのですが
…もっと色気のある相手と行けばよかったなんて考えたり(笑)
2007/10/22(月) 16:15 | URL | nino #-[ 編集]
わ~~~~
にのサンコメあ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!
当時はオンラインでエロはちょっと…
みたいなトコがあったのですが
(力量的にも今より更に未熟だった、ってのが本音ですがwwww)
今ははっちゃけすぎて
捕まらないかドキドキ☆ですwww

なんか昨日も流星群の日だったようですが
見はりましたでしょうか。
私はこのバンプの曲が出た頃に見た
流星群が忘れられません。
…ってどんだけ前の話~wwww
あの頃と変わらない私のやおい魂…wwwww
2007/10/22(月) 21:29 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
1時間!!
1時間も何しててん!?
ナニしてたんか!?
・・・てすみません、お下劣炸裂です。
なにぶん、ハヂラヒもテレも、過去の彼方に投げ捨ててきたオバハンの言うことですので、ご容赦下さいませ・・・
2007/11/06(火) 17:15 | URL | 平和堂書店 #-[ 編集]
ナニでしょうかナニですよナニwwww
しかしじっくりナニするには1時間は少々短いような気も…wwww
平和堂サンより
全然私の方が色々捨てっちまってるような気がしてなりません(;´Д`)
2007/11/06(火) 22:06 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
http://gerberahybridblog.blog.2nt.com/tb.php/20-df2c77e5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

 | Copyright © がっつりBL的。 All rights reserved. | 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ