2ntブログ

Kiss my Sleeping Beast(1)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「……ただいまー」

「あら、おかえり、智裕。いつもより遅かったじゃない? 皓市君、来てるわよ」

 予備校の夏期講習から戻った智裕に、母親が言った。

「部屋で待ってもらってるわよ。随分前からだから、謝っときなさいよ」

 ――部屋に皓市が……? 珍しいな。いつも呼びつけてばかりいるのに。……さてはまた何か企んでるな。

 そんな思いを巡らせながらもとんとんと軽快に階段を駆け上がる。予備校の帰りに買ったものがバッグの奥底にある事を確認し、意を決したかのようにばっと自室のドアをあけた。

 開いたドアからすうっと冷気が逃げて来る。智裕は少し冷房が効きすぎた部屋にそっと入った。

「皓市……?」

 ――返事が無いかと思ったら。

 皓市は勝手に智裕のベッドに入り、規則正しい寝息を立てていた。

「……ったく。何時から寝てるんだか」

 冷えすぎた部屋の温度で推し量る事が出来る。クーラーのスイッチが入れられたのは、おそらく智裕が寄り道せずに帰る時刻より前だろう。

「起きるまで、放っておくか」

 ピッとリモコンでクーラーの設定温度を上げ、触らぬ神になんとやら、と智裕は皓市を覗き込む事もなく勉強机に向かった。


 それから一時間が経ち、二時間が経った。皓市は一向に起きる気配がない。

「智裕~、ご飯よ。皓市君にも食べてってもらいなさい」

 階下より母が言う。

 やむなく智裕は皓市の側へ近づいた。

「皓市、メシ」
「……」

 呼びかけてもぴくりとも動かない皓市を不審に思い身体を揺する。

「皓市……?」

 突然皓市の腕が動き、智裕の腕を取った。ぐい、と引き寄せられ、噛み付くようにキスされた。

「っ……!」
「やっとかかったか。遅えよ、智裕」

 皓市が満足気に智裕を見つめた。

「……この為だけにずっと寝てるフリしてたのかよ?」

 自由な方の腕で唇を拭いながら、眉を寄せて智裕が尋ねる。

「……できればこの先もしたいけど?」

 皓市は片頬を上げてそう答え、智裕の腕を握る手に力を込めた。智裕は慌ててその手を振り払う。


2へ→


↓よければポチっと押してクダサイ
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
コメント
すごい根性!!!
狸寝入り2時間は、なかなか出来ませんて!!
おみそれしました。
やぱ、これくらいの根性がないと、標的はゲトできませんか。
2007/11/08(木) 12:24 | URL | 平和堂書店 #-[ 編集]
ドコからがホントの睡眠で
ドコからが狸寝入りかが分からないトコロがミソwwwww
一応皓市は智クンのツンデレな性格をよく分かってるので
寝ててもどっちみち
声もかけてこないだろうと見越して
本気寝をしてたんじゃないだろうか…
とか今考えてみますた(ミャハ☆
2007/11/08(木) 21:24 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
こ・・・これは「ツンデレ」なのか・・・
うおおおお~~~~ムズカシイ~~~~!!
誰か私にBL辞典を~~~~!!!
2007/11/08(木) 22:44 | URL | 平和堂書店 #-[ 編集]
攻めタンの強引なアプローチも
ギリギリまで抵抗する
それがツンデレクオリティwwww
ホントはスキな皓市を
放置して起こさない辺りがツンデレwwww
2007/11/09(金) 00:19 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
http://gerberahybridblog.blog.2nt.com/tb.php/36-c165d28b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

 | Copyright © がっつりBL的。 All rights reserved. | 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ