社外恋愛のススメ～飲み過ぎ注意～（３）

――ああもう駄目だ、ゆっくり育てたかった恋愛ももうオシマイだジエンドだフィンだ終劇だ……軽いヤツって思われただろな……。

　要は絶望的な気持ちになってガックリ下を向いた。

「……？」

　だが、どうも下半身に違和感は感じられない。俺が挿れた？　そんなハズは……。

「……？　え……？　その……、なんだ、俺ら、ヤった？」

　なんともストレートな表現で直登に質問を投げかける。

「え～、先生、覚えてねーの？　俺、傷つくなぁ～」

　直登がワザとらしく唇を尖らせた。

「あ、あの、ごめん。本当に……。覚えてない」

　申し訳無さそうにうなだれ、要は唇を噛む。

「せんせ、酒飲むといつもこうな訳？」

　直登の非難の視線が痛い。実際酒でこうなったことは、過去全く無いわけでは無かった。

「そんな、いつもだなんて……。んな訳ないだろ……。ホント、ごめん」

　最近は残業続きで、実際酒を飲みに行く事なんて無かった。ごにょごにょと謝りながら、こんなことは本当に本当に久々だし、と心中言い訳をする。

　そんな要の姿を眺め、直登は小さく笑って溜息をついた。

「大丈夫だよ。何もしてねーよ。ヨコシマな事はダメだって、釘刺されちゃったし。ただ、ちょっと酒癖が悪かったから、おしおきに服脱がしてやったんだ」
「……ごめん」

　直登も上体を起こし、後から要を抱きしめた。よく育った健康体に要の体はすっぽり収まる。

「ん、もういいって。だって、分かったから。せんせ、俺とのレンアイ、大切にしたいって思ってくれてるんっしょ？　……でもまぁ、酒飲むときは、気をつけてね」

　直登は要の首筋に口付けた。かあっと要の顔が耳まで紅くなってゆく。

「せんせ、ブランチ食ったら、早速俺用のワイングラス、買いにいこうよ。それと、先生がほんのり酔う程度の上等のワインと」
「……うん……」

　直登の可愛い人は、俯いて頷いた。


おしまい

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