08.きしむベッドの音が、（１/３）（R18)

　今日も殺した声は、淳汰の身体の中で木霊して、熱だけを残しやがて消えてゆく。

　二人の汗と体温が、空調を効かせていていない部屋の温度と湿度を上げる。濃密になってゆく部屋の空気の中でただ、きしむベッドの音が煩い程に響いていた。

「……もう限界、だな」
「っ、な、んて……？」
「俺とお前じゃやっぱ、無理あったんだよ」

　変わらない抽送の最中、聡士が静かに言葉を紡いだ。快感で朦朧とする意識に掛かっていた膜が、ざっくりとナイフで切られて剥ぎ取られたように、意識が覚醒した。

　――別れ話。

　身体の中で確かに息づく、聡士の熱。

　それなのに。

「んっ、んなの、っ今、言う事かよ……っ」

　どうして、と言えずにただ淳汰はその言葉を受け止める。

　確かに。

　タチの自分ではやっぱり聡士を満足させる事ができなかったんだろう。

　聡士がタチである淳汰に挿れたいと言ったのは、恐らく興味。それが満たされた今、ただ流されるように抱かれるだけの自分に興味が失せるのも無理はない。

　それならせめて、こんな事をする前に言って欲しかった。あるいはせめて、その欲望を放ってから。

「今気付いたんだからしょうがねぇだろ」
「んっ、っ、……っ」

　変わらない律動。その切っ先は、淳汰の心を切り付ける。熱かった身体の熱全てが、不意に込み上げる涙となって頬を伝った。





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『聡士×淳汰（タチ×タチ）』
『君と濡れたい10のお題』



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すいません予約失敗して（２）が村の最新記事に上がってますが
（２）は今夜０時更新予定すアセアセ　すいませんまたのお越しお待ちしておりまん