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社外恋愛のススメ~コイビトのキス~(2)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「ちょ、痛いって」

 腕を引っ張られ連れてこられたのはデパートから一番近いシティホテルの一室だった。

「さっきから黙ったままこんな所まで連れてきて、何のつもりだよ」

 部屋に入ってやっと離された腕をさすりながら要は直登を睨み付けた。

「せんせ、さっきの名刺、出して」
「え?」
「さっきのデパートの男の名刺」

 一体何なんだ、と言いたげに、けれども直登の迫力に負けたらしく要は唇を尖らせながらもポケットから先程受け取った名刺を取り出し直登に渡した。

 直登はその名刺を一瞥してから、懇切丁寧にそれはもう最新のシュレッダーの仕事よろしくそれを小さく小さく千切り出した。

「おい、お前何すんだよっ!」

 直登の腕を掴む要を無視して直登の手は休むことなく千切り続ける。
 そして出来上がった小さな紙片の山を手のひらに載せ、ふっと一息吹きかけて、要にいとも美しい紙吹雪をふりかけた。

「こんな時でもキレイだね、せんせ」

 はらはら舞う紙吹雪の中に佇む愛しい人を見て、腹立たしさが増す。

「……お前なあ、何なんだよ。いい加減、怒るぞ」
「怒ってるのは俺だよ。何で先生が怒んなきゃなんないんだよ」
「は? 何言って……っ!」

 要の反論は、直登の乱暴なキスで遮られた。直登はそのまま要の両手首を片手で掴んでベッド際までにじり寄り、スプリングのよく利いたベッドにどさりと要ごと倒れ込んだ。舌先で要の歯列をこじ開け舌を絡める。

「ん……! んんっ」

 要は圧倒的な直登との腕力の差に怯えたのか、身体を固くした。けれども直登が唇を離すと同時に強気に叫んだ。

「お前、何を怒ってるのか知らないけど、こんな事やっといて、タダで済まされると思うなよ!」

 自分の腕の中で荒れる息に胸を大きく上下させながら叫ぶ要を冷たい目でじっと見下ろして、直登はまた何も言わずに要の唇を貪る。やがてそれは首筋に移り、要の唇は解放された。

「直登っ……こんなのは、嫌だ……やめ……」

 要は首元で直登を感じて諦めたのか、次第に抵抗する力を弱めていった。


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コメント
こんなのは嫌?
じゃあ、どんなのがお好みだ?
え?その可愛い口で言ってみろ。

あ、ヘンタイでごめんさ…い。

ふふ。噛ませ犬…やってくれたな。
先輩、いい仕事してますね(古い)!
2007/09/29(土) 15:37 | URL | ハナ #ZJmJft5I[ 編集]
>ハナサン
うぅ…ハナ女王様…!(ぉ)
もっと…もっと痛くしてぇええええぇ!(え?)(←誰?)

ええ、先輩ちょい役だけど二人(直登?)を焚きつけるには
充分に動いてもらいますたwww

今日もコメありがとうございます!
2007/09/29(土) 20:32 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
恐怖シュレッダー男と化してしまった直登クン。
嫉妬に燃えた若い男はナニするか分かんないぞ、気をつけてね、先生。
直登くんも直情型で困ったちゃんだけど、先生も無神経だよ。
気ぃ遣ってやれよ。
なんとなく、直登くんの肩を持つのは、オバハンだからだろうか。
2007/11/10(土) 16:44 | URL | 平和堂書店 #-[ 編集]
ああそうだ直情型!
キレるとヤバめ、って直情型で表せられるんですねwwwww

いやいや登場人物にシンパサイズしてもらえるのは
ありがたい限りでごんす。
2007/11/10(土) 22:58 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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