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偏愛エレジー(6)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「……ん?」
「今日このあと、何もなければ飯でも」

 どすか? と尚大が位織を見た。その視線だけで位織の身体が欲望に震える。それをそっと身体の奥にやり過ごした。


「――ん、いいよ。行こうか」

 位織は尚大に微笑を返した。

 尚大と部屋を出て、施錠のために尚大に背を向ける。

 尚大が誘わなければ位織から誘うつもりだった。

 背に尚大の存在を感じながら、位織はひっそりと笑みを浮かべた。




 尚大と入った定食屋では、敢えてゼミや友永の話題を避け、尚大から彼の話を聞き出す事に終始した。尚大が何かを尋ねたそうにしているのは分かっていた。彼と打ち解け、また彼の事を知りたかったというのは本音だが、もう少しだけ彼を焦らして、そうして尚大の反応を伺っていた。

 友永に迫られる場面を尚大に見せたのは、尚大が同性間の性関係についてどう思うかを確かめるためだった。

 嫌悪を見せるようなら友永に迫られて迷惑していると言えば良い。もし、何らかの反応を見せたなら。尚大が同性を性の対象と見ることができる人種なら。――その時は。

「位織さん」

 二人ともに食事を終え、尚大が食後の一服に火を点す。煙草の煙をくゆらせながら、尚大が位織に話し掛けた。

「このあと、良かったら飲みに行きませんか。俺がよく行く店があるんで、そこにでも」
「――ん」

 ――次で、決まるかな。


 尚大が自分と同じである事を胸が痛む程に願いながら、位織は小さく頷いた。






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尚大×位織

関連:和大×ナツメ 




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コメント
ブラックな位織…
なかなか今までにいないタイプの主人公で続きが気になります~!
計算高いように感じさせて、痛いくらい願うなんて逆に儚さ感じるんですが…これは彼の技にだまされてますか!?もしやっ(^。^;)!!
2009/04/01(水) 06:57 | URL | chihiron #-[ 編集]
コードネーム(?)は
>chihironさん(*´∀`)

あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!ございマス!
位織のキャッチフレーズ(?)は
『若干黒い健気ウケ』なので
そんな計算高いけどソレは愛故、みたいなイメージでごじゃいやす(*´∀`)
ナンダカンダで尚大に会うまでは
ちゃんと教授のことを愛してましたw
でもフリンだったんで(゚∀゚)アヒャ

ただいま一文に引っかかって頭悩ませ中です(;´Д`)
まったーり少量更新(相変わらずw)ですが
引き続きのお付き合いよろすくおながいしますです!
2009/04/01(水) 20:52 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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